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ベトナムの定番バインカンのレシピ

もちもちと太い米粉麺にとろみのある豚骨スープを合わせる南部ベトナムの定番麺料理。自宅で作れる本格レシピを材料・手順とともに紹介します。

ベトナムの定番バインカンのレシピ
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上の
郷土レシピ.com代表
120 調理時間
2人前 分量
約460kcal カロリー

材料

  • 米粉 150g(麺用)
  • タピオカ粉 50g(麺用)
  • 熱湯 180ml(麺用)
  • 豚骨(またはスペアリブ) 400g
  • 豚バラ肉(塊) 200g
  • えび(殻付き) 6尾
  • レモングラス 1本
  • 玉ねぎ 1/2個
  • ナンプラー 大さじ2
  • 砂糖 大さじ1
  • 塩 小さじ1+少々
  • 片栗粉 大さじ2(とろみ用)
  • 水 大さじ3(とろみ用)+1.5リットル(スープ用)
  • 青ねぎ 2本
  • フライドシャロット 大さじ2
  • 揚げにんにく 適量
  • 白こしょう 少々
  • もやし・ライム・青唐辛子・パクチー 付け合わせ用・各適量

バインカン(Bánh Canh)は、米粉またはタピオカ粉を練って作った太くてもちもちした麺を、豚骨や魚介の濃厚なスープと合わせるベトナムの太麺料理です。フォーやブンの細くてなめらかな麺とは対照的に、バインカンの麺はずっしりとした食べ応えと独特のもちもち食感を持ち、日本のうどんに例えられることもあります。スープのスタイルは地域によって大きく異なり、豚骨ベースのものから蟹の旨みを効かせたものまで多彩なバリエーションが存在しますが、スープにとろみをつけるスタイルが多くの地域に共通する特徴です。ホーチミン近郊のトゥードゥック市やビントゥアン省などが特に有名な産地として知られており、地元の人々が朝食や昼食に気軽に食べる庶民の麺として長く愛されています。とろりとしたスープともちもちの麺が合わさったその独特の食感は、一度食べると忘れられない南部ベトナムの味です。

バインカンの作り方

◎麺の生地を作る
米粉150g・タピオカ粉50gをボウルに合わせてよく混ぜ、熱湯180mlを少しずつ加えながら箸で混ぜる。ある程度まとまったら手でひとまとめにしてなめらかになるまでこねる。乾いたふきんをかけて15〜20分休ませる。(熱湯を使うことでタピオカ粉に火が通り、もちもちとした弾力が生まれる。こね上がりの生地は耳たぶ程度のやわらかさが目安。乾燥しやすいので休ませる間もふきんをかけておくこと)

◎麺を成形して茹でる
生地を適量取り、手のひらで転がしながら鉛筆ほどの太さの棒状に伸ばし、4〜5cm長さに切る。沸騰した湯に入れて浮き上がってから1〜2分ゆで、冷水にとって水気を切る。(麺の太さは好みで調節してよいが、細すぎるとバインカンの食べ応えが失われる。ゆで上がりの目安は麺が浮き上がってきれいな半透明になった状態。一度に大量に入れると温度が下がるので数回に分けてゆでる)

◎スープの骨をあく抜きする
豚骨400g(または豚スペアリブ)を大きめの鍋に入れ、かぶるくらいの水を加えて強火で沸騰させる。5分ほど煮たらザルに上げ、流水でよく洗ってアクと汚れを落とす。鍋も洗っておく。(バインカンのスープはとろみをつけるため、ベーススープ自体の旨みをしっかり引き出すことが重要。下茹でを丁寧に行うほど澄んだ旨みのスープになる)

◎スープを煮出す
きれいにした鍋に水1.5リットルを入れ、あく抜きした豚骨・叩いたレモングラス1本・つぶした玉ねぎ1/2個・砂糖大さじ1・塩小さじ1を加えて強火で沸騰させる。アクを丁寧にすくいながら弱火に落とし、蓋をして1時間30分じっくり煮込む。(レモングラスはバインカンのスープに清涼感と香りを加える。玉ねぎは半分に切って直火で焼き目をつけてから加えるとスープに甘みと色が増す)

◎豚肉を茹でる
豚バラ肉の塊200gをスープに加えて30〜40分ゆでる。竹串を刺して透明な汁が出たら取り出し、粗熱が取れたら薄切りにする。(豚肉をスープの中でゆでることで肉の旨みがスープに加わる。ゆで上がった肉は冷蔵庫で冷やしてから切ると断面が崩れず美しく仕上がる)

◎スープにとろみをつける
煮上がったスープから豚骨・レモングラス・玉ねぎを取り出して漉し、鍋に戻す。ナンプラー大さじ2で味を調える。水溶き片栗粉(片栗粉大さじ2・水大さじ3)を加えながらゆっくりかき混ぜ、好みのとろみがつくまで調整する。(とろみの強さはバインカンのスタイルによって異なる。ゆるめのとろみで麺に絡む程度が家庭では扱いやすい。片栗粉は一度に加えず少しずつ加えながら様子を見ること)

◎えびを準備する
えび(殻付き)6尾の背わたを取り、塩少々を加えた沸騰した湯で1〜2分ゆでて取り出す。(えびは色が変わったら即座に引き上げるのが柔らかく仕上げるコツ。殻付きのまま盛り付けると見た目が豪華になり、食べるときの香ばしさも増す)

◎盛り付け

ベトナムの定番バインかんの完成品 盛り付け画像
深めの器にバインカンの麺を盛り、薄切りにした豚バラ肉・えびをのせる。熱々のとろみスープをたっぷり注ぎ、青ねぎの小口切り・フライドシャロット・揚げにんにくを散らす。白こしょうをひとふりして、もやし・ライム・青唐辛子・パクチーを添えて完成。

料理の歴史と背景

バインカンの起源はベトナム中部・南部の農村地帯に求められます。米粉を練って太麺に成形するという技法は、稲作文化が発達したベトナムで古くから行われてきた食の知恵であり、小麦粉の入手が困難だった時代に米粉だけで太い麺を作る方法として生まれたとされています。タピオカ粉を混ぜ込むことで生まれる独特のもちもち食感は、ベトナム南部特有の食感への嗜好を反映しており、フォーやブンとは明確に異なるジャンルの麺料理として発展しました。中部フエのバインカントムチュア(蟹のバインカン)は宮廷料理との接点も指摘されており、太麺料理でありながら格式ある食文化とも結びついています。

現在バインカンはベトナム各地でその土地の食材と組み合わさった多彩なスタイルで食べられています。南部ではえびや豚肉を具材にした豚骨ベースのものが定番ですが、中部では蟹の旨みを凝縮したバインカンクアが名物として知られ、南中部のビントゥアン省ではかつおを使ったバインカンチャーカーが郷土料理として根付いています。いずれのスタイルにも共通するのはスープのとろみと麺のもちもち感という組み合わせで、この食感の心地よさがバインカンを他のベトナム麺料理と区別する最大の個性です。日本ではフォーやブンに比べてまだ知名度は高くありませんが、もちもちした食感が日本人の口に自然と合うことから、本格的なベトナム料理店を中心に少しずつその存在が知られるようになっています。手打ち麺の素朴な温かさと濃厚なスープのとろみが一体となった一杯は、ベトナム料理の新たな魅力を発見させてくれます。

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