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インドの定番ビリヤニのレシピ

ビリヤニ(Biryani)はインドを代表する香り米料理で、バスマティライスをホールスパイスとともに半炊きにしたものとヨーグルト・スパイス・フライドオニオンに漬け…

インドの定番ビリヤニのレシピ
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上の
郷土レシピ.com代表
70 調理時間
4人前 分量
約620kcal カロリー

材料

  • バスマティライス 300g
  • 鶏もも肉(骨付き) 500g
  • ヨーグルト 150g
  • 生姜ペースト 大さじ1
  • ニンニクペースト 大さじ1
  • カイエンペッパー 小さじ1
  • コリアンダーパウダー 小さじ2
  • ガラムマサラ 小さじ1
  • ターメリックパウダー 小さじ1/2
  • レモン果汁 大さじ1
  • 玉ねぎ 2個(フライドオニオン用)
  • 揚げ油 適量
  • サフラン 小さじ1/4
  • ミルク 大さじ4
  • ギー 大さじ4
  • ミントの葉 ふたつかみ
  • コリアンダーの葉 ひとつかみ
  • ベイリーフ 2枚
  • シナモンスティック 1本
  • カルダモン 4粒
  • クローブ 4粒
  • スターアニス 1個
  • 塩 大さじ1と小さじ1
  • 水 2L(炊飯用)
  • ライタ(ヨーグルト・きゅうり・塩) 適量

ビリヤニ(Biryani)はインドを代表する香り米料理で、バスマティライスをホールスパイスとともに半炊きにしたものとヨーグルト・スパイス・フライドオニオンに漬け込んだ鶏肉または羊肉を大鍋の中で交互に層状に重ね、サフランで染めたミルクと溶かしたギーをかけて鍋の蓋を小麦粉のパテで密封し炭火または低温のオーブンで蒸し焼きにする「ダム(Dum)」と呼ばれる伝統的な調理法によって、スパイスの香りと肉の旨みが米の一粒一粒に吸い込まれた長くほぐれやすい黄金色の米とスパイスが溶け込んだジューシーな肉が一体となる唯一無二の美味しさに仕上がるムガル帝国の宮廷料理を起源とするインド最高峰の料理です。ビリヤニの最大の個性は「ダム」という密封蒸し焼きの技法によって鍋の内部に閉じ込められたスパイスの蒸気が米と肉の間を循環しながら両者に旨みと香りを同時に浸透させるという調理の原理にあり、これはインドの料理技法の中でも最も洗練された科学的な仕組みとして世界の料理人から高い評価を受けています。ビリヤニの決め手はバスマティライスを完全に炊き上げる前の七分炊きで止めることで最終的なダムの蒸気でちょうどよく仕上がるという火加減の繊細なコントロールと、フライドオニオンをじっくりと深い飴色になるまで揚げることで生まれる甘みと旨みの凝縮がヨーグルトマリネの中に溶け込むことで肉の旨みを最大限に引き出すことであり、この二つが揃って初めて本場ハイデラバード・ラクナウ・コルカタのビリヤニ専門店の職人が何時間もかけて仕上げる一皿の格調に近づきます。インドではビリヤニは結婚式・イード(ラマダン明けの祭り)・ムハッラム・家族の集まりなど特別な日のご馳走として大鍋で作られる料理であり、ビリヤニを囲む食卓はインドの家族と共同体の絆を体現する儀式的な意味合いを持つ料理として何世紀にもわたって愛され続けています。

ビリヤニの作り方

◎フライドオニオンを作る
玉ねぎ2個を薄切りにし、170℃の油でじっくりと深い飴色になるまで15〜20分揚げる。キッチンペーパーに広げて油を切り、冷ましておく。(フライドオニオンはビリヤニの旨みの核心であり省略できない。深い飴色になるまでしっかりと揚げることで甘みと旨みが凝縮する。市販のフライドオニオンで代用するとかなり手間が省ける)

◎肉をマリネする
鶏もも肉500g(骨付きが理想・なければ骨なしでも可)に切り込みを入れてボウルに入れる。ヨーグルト150g・生姜ペースト大さじ1・ニンニクペースト大さじ1・カイエンペッパー小さじ1・コリアンダーパウダー小さじ2・ガラムマサラ小さじ1・ターメリックパウダー小さじ1/2・塩小さじ1・レモン果汁大さじ1・フライドオニオンの半量・ミントの葉ひとつかみを加えてよく揉み込む。冷蔵庫で最低2時間、できれば一晩マリネする。(ヨーグルトの乳酸が肉を柔らかくしながら旨みを閉じ込める。マリネ時間が長いほど香りと旨みが深まる。生姜とニンニクはすりおろしてペースト状にすること)

◎サフランミルクを作る
サフラン小さじ1/4を乳鉢で細かく潰し、温めたミルク大さじ4に溶かして10分おく。鮮やかな黄金色のサフランミルクを作っておく。

◎バスマティライスを七分炊きにする
バスマティライス300gを水でよく洗い、水に30分浸けてから水気を切る。大鍋に水2L・塩大さじ1・ベイリーフ2枚・シナモンスティック1本・カルダモン4粒・クローブ4粒・スターアニス1個を沸騰させ、バスマティライスを加えて7〜8分、米の中心に少し芯が残る七分炊きの状態で引き上げてザルに上げる。(七分炊きで止めることがビリヤニ成功の最重要ポイント。完全に炊き上げるとダムの工程で米が崩れてべちゃべちゃになる。芯が残る程度が正解)

◎層を重ねてダムで仕上げる
厚手の大鍋にギー大さじ2を塗り、マリネした肉を底に均一に広げる。七分炊きのバスマティライスの半量を肉の上に広げ、残りのフライドオニオン・ミントの葉・コリアンダーの葉を散らす。残りのライスを重ねてサフランミルクを全体に回しかけ、ギー大さじ2を散らす。アルミホイルで鍋全体を隙間なく覆い、蓋をしてアルミホイルを鍋と蓋の間に挟んで密封する。強火で5分加熱してから極弱火にして25〜30分蒸し焼きにする。(密封が不十分だと蒸気が逃げてライスが乾燥する。アルミホイルで完全に密封することが重要。極弱火を維持することで焦げずに均一に蒸し上がる)

◎盛り付ける

インドの定番ビリヤニの完成品 盛り付け画像

蓋を開けて大きなスプーンで底から混ぜながら皿に盛る。黄金色のサフランライスと白いライスのコントラストが美しく混ざり合った状態が理想。ライタ(ヨーグルトときゅうりのサラダ)とミルチカサランボ(ゆで卵のカレー)を添えるのがハイデラバードスタイルの定番。

料理の歴史と背景

ビリヤニの起源はペルシャ宮廷で発展した「ピラフ(Pilaf)」の調理法がシルクロードを通じてインド亜大陸に伝わり、ムガル帝国(1526〜1857年)の宮廷料理人たちによってインドのスパイス文化と融合することで現在のビリヤニとして完成したとされています。「ビリヤニ」という名称はペルシャ語の「ビリャン(Biryan・炒めた)」に由来するという説が有力で、ムガル帝国第三代皇帝アクバル大帝の宮廷料理書「アイン・イ・アクバリ」には複数のビリヤニに似た料理の記述が見られます。ムガル帝国の首都アーグラ・デリー・ラクナウを中心に発展した北インドのビリヤニは香り高いバスマティライスとダムの技法を特徴とし、南インドのハイデラバードではニザーム(君主)の宮廷でアラブ・ペルシャの料理文化とテランガーナの在来スパイス文化が融合することでより辛みの強い「ハイデラバーディビリヤニ」として独自の発展を遂げました。18世紀にラクナウのナワーブ(太守)の宮廷で完成したダムの技法はビリヤニを単なる炊き込みご飯から芸術的な料理へと昇華させた歴史的な革新であり、現代のビリヤニ調理の根幹として今日に引き継がれています。

現代のインドにおいてビリヤニはデリー・ムンバイ・ハイデラバード・コルカタ・チェンナイなど全国のビリヤニ専門店・ホテル・家庭で日常的に食べることができ、インドで最も消費されるご飯料理のひとつとして老若男女に愛されています。ハイデラバーディビリヤニ・ラクナウィビリヤニ・コルカタビリヤニ・メラティビリヤニなど地域ごとに明確に異なるスタイルが存在し各地域の人々が自らのビリヤニスタイルに強い誇りを持つという文化的な現象はビリヤニがインド人のアイデンティティと地域性と深く結びついていることを示しています。インド系移民が多く暮らすイギリス・アメリカ・UAE・シンガポールなど世界各国のインド料理店でもビリヤニは最も人気の高いメインディッシュとして定着しており、2023年にタイムズ・フード・アワードでビリヤニが「世界で最も人気のある料理」のひとつに選ばれたことでその国際的な評価が改めて確認されました。日本ではインド料理専門店でビリヤニを提供する店が急増しており、サフランの黄金色とスパイスの複雑な香りが漂う一皿の格調ある美しさと、バスマティライスの一粒一粒に染み込んだ旨みの深さは、炊き込みご飯文化に親しんだ日本人の味覚にも深く響く料理として最も注目度の高いインド料理として評価が定着しています。

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