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マレーシアの定番カリーミーのレシピ

ココナッツミルクベースの濃厚なカレースープに黄色い細麺とビーフンを合わせるペナン発祥の麺料理。えびと豆腐が入った本格レシピを紹介します。

マレーシアの定番カリーミーのレシピ
Author
上の
郷土レシピ.com代表
50 調理時間
2人前 分量
約570kcal カロリー

材料

  • 黄色い卵麺(生麺または乾麺) 160g
  • ビーフン 80g
  • えび(殻付き) 8尾
  • 豆腐泡(揚げ豆腐) 6〜8個
  • もやし ひとつかみ
  • 乾燥赤唐辛子 6本(ペースト用)+4本(サンバル用)
  • 生の赤唐辛子 3本(ペースト用)
  • シャロット 5個(ペースト用)+2個(サンバル用)
  • にんにく 4片(ペースト用)+1片(サンバル用)
  • レモングラス 2本(ペースト用)
  • ガランガル 15g(ペースト用)
  • エビペースト(ブラチャン) 小さじ2(ペースト用)+小さじ1(サンバル用)
  • カレー粉 大さじ2
  • チリパウダー 小さじ1
  • クミンパウダー 小さじ1/2
  • コリアンダーパウダー 小さじ1
  • ターメリックパウダー 小さじ1/2
  • 鶏がらスープ(または水) 800ml
  • ココナッツミルク 400ml
  • コブミカンの葉 4〜5枚+飾り用・適量
  • 砂糖 大さじ1(スープ用)+小さじ1(サンバル用)
  • 塩 小さじ1
  • ナンプラー 大さじ1.5(スープ用)+小さじ1(サンバル用)
  • サラダ油 大さじ3(スープ用)+大さじ1(サンバル用)
  • ラード 好みで・大さじ1
  • 赤唐辛子 飾り用・適量
  • ライム 1個

カリーミー(Curry Mee)はココナッツミルクをたっぷり使ったクリーミーなカレースープに黄色い卵麺(ミー)と細い米麺(ビーフン)を合わせるマレーシアを代表するカレー麺です。ペナン島発祥のスタイルが最も有名で、スパイスの香りとココナッツミルクの甘みが高いバランスで溶け合ったスープは一口すするたびに体の芯まで染み渡る奥深さを持ちます。クアラルンプール発祥のカリーラクサとは従兄弟のような関係にありながら、ペナンのカリーミーはラードと血豆腐(豚の血を固めたもの)・豆腐泡(揚げ豆腐)という独特のトッピングと、仕上げにサンバルをひとさじのせるスタイルによって全く異なる個性を放ちます。マレー系・中国系・インド系という三つのコミュニティの食文化が重なり合うペナンの路上で生まれたこの一杯は、スパイス文化・ココナッツミルク文化・中国系麺文化が出会った必然の産物です。早朝からコピティアム(コーヒーショップ)の大鍋でぐつぐつと煮えるカリーミーのスープは、ペナンの朝を象徴する香りとして旅行者の記憶に深く刻まれます。

カリーミーの作り方

◎スパイスペーストを作る
乾燥赤唐辛子6本(水で戻す)・生の赤唐辛子3本・シャロット5個・にんにく4片・レモングラス2本(薄切り)・ガランガル15g(薄切り)・エビペースト(ブラチャン)小さじ2をミキサーまたはすり鉢でなめらかなペースト状になるまで撹拌する。(ブラチャンはカリーミーのスープに他では再現できない発酵の旨みと深みを加えるマレーシア料理の要。使用前にアルミホイルで包んで弱火で両面各1〜2分炙ると香りが引き立つ。乾燥と生の赤唐辛子を組み合わせることで辛みと香りの両方に奥行きが生まれる)

◎スープの土台を作る
厚手の鍋にサラダ油大さじ3を中火で熱し、スパイスペーストを加えて5〜6分じっくり炒める。香りが立ってペーストの水分が飛び、油が分離して赤みがかった色になったら次の工程へ進む。カレー粉大さじ2・チリパウダー小さじ1・クミンパウダー小さじ1/2・コリアンダーパウダー小さじ1・ターメリックパウダー小さじ1/2を加えてさらに1〜2分炒め合わせる。(乾燥スパイスは油で炒めることで香りが最大限に引き出される。焦げやすいので加えたら素早く混ぜながら炒める。スパイスの配合がカリーミーのスープの複雑な風味を決定づける)

◎スープを煮込む
鶏がらスープ(または水)800ml・ココナッツミルク400mlを加えてよく混ぜ合わせ、強火でひと煮立ちさせる。コブミカンの葉4〜5枚・砂糖大さじ1・塩小さじ1・ナンプラー大さじ1.5を加えてアクを丁寧にすくいながら弱火に落とし、蓋をして20〜25分煮込む。(ココナッツミルクは沸騰させ続けると分離するため、ひと煮立ちしたら必ず弱火に落とすこと。鶏がらスープを使うとスープの旨みの土台がより豊かになる。コブミカンの葉は多めに加えるほど清涼感が増す)

◎えびを加える
えび(殻付き・背わた除去)8尾をスープに加えて中火で2〜3分、色が完全に変わるまで煮る。えびを取り出してスープは取り置く。(えびはカリーミーに欠かせない具材。殻付きのまま煮ることでスープにえびの旨みが移る。色が変わったら即座に取り出すことで柔らかい食感を保つ)

◎豆腐泡を準備する
豆腐泡(揚げ豆腐・市販品)6〜8個を熱湯でさっとゆでて余分な油を落とし、水気を切る。(豆腐泡はカリーミーの食感の核心。スポンジ状の内部にカレースープが染み込んだ豆腐泡を噛むと凝縮されたスープの旨みが口に広がる。アジア食材店で入手できる。入手できない場合は厚揚げを一口大に切って代用できる)

◎サンバルを作る
乾燥赤唐辛子4本(水で戻す)・シャロット2個・にんにく1片・エビペースト小さじ1をすり鉢でペースト状にし、サラダ油大さじ1で2〜3分炒めてナンプラー小さじ1・砂糖小さじ1で味を整える。(サンバルはカリーミーのテーブルに必ず添えられる辛みの調味料。器に盛った後に各自がのせて辛さを調節するスタイルが本場の食べ方。好みの辛さに合わせて唐辛子の量を調節する。市販のサンバルソースで代用してもよい)

◎麺を茹でる
黄色い卵麺(生麺または乾麺)160gを袋の表示通りに茹でてザルに上げ、水気を切る。ビーフン80gを別の鍋で表示通りに戻して水気を切る。(カリーミーの麺は黄色い卵麺とビーフンの二種類を合わせるのが正式スタイル。二種類の麺が異なる食感とスープの吸い方をすることで一杯の中に変化が生まれる。どちらか一種類だけでも作れる)

◎もやしを茹でる
もやしひとつかみを沸騰した湯に10秒くぐらせてザルに上げる。(もやしはシャキシャキとした食感を残すために短時間の加熱にとどめる。カリーミーのこってりしたスープと軽やかなもやしの食感のコントラストが重要)

◎盛り付け

マレーシアの定番カリーミーの完成品 盛り付け画像
深めの器に卵麺とビーフンを合わせて盛り、えび・豆腐泡・もやしを美しく並べる。熱々のカレースープをたっぷり注ぎ、サンバルをひとさじのせる。好みでラードひとさじ・コブミカンの葉のせん切り・赤唐辛子の輪切りを添えて完成。ライムのくし切りを添えて搾りながら食べる。

料理の歴史と背景

カリーミーはマレーシアの多民族都市ペナンの食文化が生んだ料理で、19世紀から20世紀初頭にかけて中国系・マレー系・インド系の三つのコミュニティが共存するペナン島の路上食堂文化の中で自然発生的に形成されたとされています。中国系福建人が持ち込んだ黄色い卵麺の文化・マレー系が守り続けたスパイスとココナッツミルクの文化・インド系タミル人が伝えたカレーのスパイス体系という三つの食文化の流れが一杯の麺料理に凝縮したカリーミーは、多民族社会ペナンの食文化的豊かさを最も象徴する料理のひとつとして語られます。ブラチャン(エビペースト)を使うスタイルはマレー半島の食文化全般に共通する発酵食品文化の影響であり、プラホックを使うカンボジア料理・カピを使うタイ料理と系譜を共有しながらもブラチャン独自の香りと旨みがカリーミーのスープを他とは異なる味に仕上げています。

現代のマレーシアではカリーミーはペナン料理を代表する一杯として国内外から高い評価を受けており、ペナンのコピティアムで提供されるカリーミーを目当てに各地から食通が訪れます。2004年にCNNが発表した「世界で最も美味しい料理」でカリーミーが上位にランクインしたことはペナン料理の国際的な知名度を一気に高め、その後のマレーシア食文化の世界的な注目につながりました。ペナンの屋台文化は2012年にユネスコの無形文化遺産候補として検討されるなど国際的な評価を受けており、カリーミーはナシカンダル・チャークイティオ・アッサムラクサと並んでペナンの食文化遺産を代表する料理として位置づけられています。日本でもマレーシア料理専門店やアジア料理カフェでカリーミーの提供が増えており、ココナッツミルクの甘みとスパイスの香りが溶け合う濃厚なスープはラーメン文化に親しんだ日本人の感性にも深く響く一杯として評価が高まっています。

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