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ベトナムの定番フーティウのレシピ

澄んだ豚骨スープに透明な米麺を合わせる南部ベトナムの朝食麺。えびと豚肉の旨みが詰まった本格フーティウを自宅で作るレシピです。

ベトナムの定番フーティウのレシピ
Author
上の
郷土レシピ.com代表
120 調理時間
2人前 分量
約430kcal カロリー

材料

  • フーティウ乾燥米麺(またはビーフン) 160g
  • 豚骨(またはスペアリブ) 500g
  • 豚バラ肉(塊) 200g
  • えび(殻付き) 6尾
  • 干しエビ 大さじ2
  • 乾燥イカ 30g
  • 玉ねぎ 1/2個
  • にんにく 3片
  • ナンプラー 大さじ2
  • 砂糖 大さじ1(スープ用)
  • 塩 小さじ1+少々
  • サラダ油 適量(揚げにんにく用)
  • フライドシャロット 大さじ2
  • 青ねぎ 2本
  • 白こしょう 少々
  • 水 1.5リットル
  • もやし・ライム・青唐辛子・パクチー 付け合わせ用・各適量

フーティウ(Hủ Tiếu)は南部ベトナムを代表する米麺料理で、透明感のある細い乾燥米麺に豚骨ベースの澄んだスープを合わせ、えび・豚肉・豚の内臓・揚げにんにくを豪快に盛り合わせるホーチミンの朝食麺です。同じベトナム麺でもフォーが牛骨スープと平打ち麺を使う北部スタイルなのに対し、フーティウは豚骨スープと細い透明な米麺を使う南部スタイルを持ち、乾燥イカや干しエビをスープに加えて旨みを重ねる点が大きな特徴です。隣国カンボジアのクイティウと同じ系譜を持ち、カンボジアからメコンデルタを経由して南部ベトナムに伝わったとされています。スープをかけて食べるスタイルと、スープを別添えにして麺を調味料だけで和えて食べるドライスタイル(フーティウコー)の二通りがあり、好みで選べるのも魅力のひとつです。

フーティウの作り方

◎スープの骨をあく抜きする
豚骨500g(または豚スペアリブ)を大きめの鍋に入れ、かぶるくらいの水を加えて強火で沸騰させる。5分ほど煮たらザルに上げ、流水でよく洗ってアクと汚れを落とす。鍋も洗っておく。(この工程を丁寧に行うことでスープの透明感と雑味のないクリアな旨みが生まれる。フーティウのスープはフォーと同様に澄んだ仕上がりが理想で、下茹ではその最初の重要な一手)

◎スープを煮出す
きれいにした鍋に水1.5リットルを入れ、あく抜きした豚骨・干しエビ大さじ2・乾燥イカ30g(さっと火であぶる)・つぶした玉ねぎ1/2個・砂糖大さじ1・塩小さじ1を加えて強火で沸騰させる。アクを丁寧にすくいながら弱火に落とし、蓋をして1時間30分じっくり煮込む。(乾燥イカと干しエビがフーティウのスープをフォーと全く異なる旨みの次元に引き上げる最大の要素。あぶることで香ばしさが加わり、よりコクのある仕上がりになる)

◎豚肉を茹でる
豚バラ肉の塊200gをスープに加えて30〜40分ゆでる。竹串を刺して透明な汁が出たら取り出し、粗熱が取れたら薄切りにする。(豚肉はスープの中でゆでることで肉の旨みがスープに移り、スープがさらに豊かになる一石二鳥の工程。ゆでた肉は冷蔵庫で冷やしてから切ると断面が美しく仕上がる)

◎スープを仕上げる
煮上がったスープから豚骨・干しエビ・乾燥イカ・玉ねぎを取り出して漉す。ナンプラー大さじ2で味を調え、塩・砂糖で最終的なバランスを整える。(スープは透明感を保つため強火で煮立てないこと。仕上がりのスープは塩気よりわずかに甘みを感じる程度が南部スタイルの特徴)

◎えびを準備する
えび(殻付き)6尾の背わたを取り、塩少々を加えた沸騰した湯で1〜2分ゆでて取り出す。(えびはゆですぎると縮んで固くなる。色が鮮やかなオレンジ色に変わったら即座に引き上げる。殻付きのまま盛り付けると見た目が豪華になる)

◎揚げにんにくを作る
にんにく3片を薄切りにし、170℃のサラダ油でこんがりきつね色になるまで揚げる。油を切ってキッチンペーパーに広げ、冷めるとカリッとなる。(揚げにんにくはフーティウの香ばしさを決定づけるトッピング。焦げると苦くなるので色づいたらすぐに取り出すこと。揚げた油もにんにく油として盛り付け時に少量回しかけると香りが増す)

◎麺を茹でる
フーティウの乾燥米麺(またはビーフン)を袋の表示通りに茹でて冷水でしめ、水気をよく切る。(フーティウの麺は細くて透明感のある乾燥米麺が本来のもの。入手できない場合はビーフンや素麺で代用できる。茹でた後に冷水でしめることで麺がくっつきにくくなる)

◎盛り付け

ベトナムの定番フーティウの完成品 盛り付け画像
深めの器に麺を盛り、薄切りにした豚バラ肉・えび・フライドシャロットをのせる。揚げにんにくをたっぷり散らし、熱々のスープを注ぐ。青ねぎの小口切り・白こしょうを仕上げに散らし、もやし・ライム・青唐辛子・パクチーを添えて完成。

料理の歴史と背景

フーティウの起源はカンボジアのクイティウにあるとされており、19世紀から20世紀にかけてメコンデルタ地帯に移住したカンボジア系クメール人とともにベトナム南部に伝わったと考えられています。メコンデルタの主要都市ミートー(Mỹ Tho)はフーティウの発祥地として特に知られており、「フーティウミートー」は南部ベトナムを代表するローカルフードとして今も広く親しまれています。その後サイゴンに伝わったフーティウは華人移民の影響を受けながらさらに独自の進化を遂げ、干しエビや乾燥イカをスープに加えるスタイルや豊富なトッピングを盛り合わせる豪快なスタイルが確立されました。

現在のホーチミンではフーティウはフォーと並ぶ朝食の二大定番として市民の生活に深く根付いており、早朝から路上に並ぶフーティウ屋台の前には地元の人々が集まります。スープありのウエットスタイルとスープ別添えのドライスタイルを選べる自由度の高さも人気の理由のひとつで、ドライスタイルは麺に甘辛いタレ・揚げにんにく・フライドシャロットを和えてから食べるためまた異なる風味が楽しめます。ホーチミン市内でも地区によって具材やスープの味付けが微妙に異なり、豚の内臓・カニ・魚介など店ごとに個性を競うのがフーティウ文化の豊かさです。日本ではまだフォーほどの知名度はありませんが、ベトナム料理の奥深さを知るうえで欠かせない一杯として、本格的なベトナム料理店を中心に少しずつ広まりつつあります。

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