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ベトナムの定番ミークアンのレシピ

クアンナム省発祥、少量のターメリック色スープに太い平打ち米麺を絡めて食べるベトナム中部の名物麺。えびと豚肉を使った本格レシピです。

ベトナムの定番ミークアンのレシピ
Author
上の
郷土レシピ.com代表
35 調理時間
2人前 分量
約450kcal カロリー

材料

  • ミークアン用幅広平打ち米麺(または乾燥フォー麺) 160g
  • えび(殻付き) 6尾
  • 豚バラ肉 150g
  • シャロット 3個
  • にんにく 2片
  • ターメリックパウダー 小さじ1.5
  • アナトーオイル(またはパプリカパウダー) 小さじ1
  • 鶏ガラスープ(または水) 400ml
  • ナンプラー 大さじ1(漬け込み用)+大さじ1.5(スープ用)
  • 砂糖 小さじ1(漬け込み用)+小さじ1(スープ用)
  • 白こしょう 少々
  • 塩 少々
  • サラダ油 大さじ2
  • ローストピーナッツ(砕く) 大さじ3
  • フライドシャロット 大さじ2
  • バインダードン(ライスクラッカー) 適量
  • 青ねぎ 2本
  • ライム 1個
  • もやし・レタス・パクチー・ミント 付け合わせ用・各適量

ミークアン(Mì Quảng)はベトナム中部クアンナム省を発祥とする米麺料理で、フォーやブンとは根本的に異なるスタイルを持ちます。最大の特徴はスープの量の少なさで、麺が浸る程度のわずかなスープを麺に絡めて食べるスタイルは、スープをたっぷり注いで食べるベトナムの他の麺料理とは一線を画します。ターメリックで黄金色に染まった濃厚なスープ・黄色みを帯びた幅広の平打ち米麺・えびと豚肉の具材・たっぷりの砕きピーナッツ・パリパリのバインダードン(米のライスクラッカー)が一皿に集まるミークアンは、見た目の色彩豊かさも圧倒的です。ダナン・ホイアンを旅する人にとってミークアンを食べることは必須の体験であり、クアンナム出身者にとっては故郷の味の筆頭として語られます。スープが少ないため麺とタレをよく混ぜてから食べるのがミークアン本来の食べ方で、その独特のスタイルが一度食べると忘れられない個性を生み出しています。

ミークアンの作り方

◎えびと豚肉を漬け込む
えび(殻付き)6尾の背わたを取り、豚バラ肉150gを3〜4cm角に切る。両方をナンプラー大さじ1・砂糖小さじ1・白こしょう少々・すりおろしにんにく1片を合わせたタレに加えてよく混ぜ、15〜20分漬け込む。(漬け込むことでえびと豚肉に下味がつき、後から炒めたときに旨みが引き出される。時間がない場合でも最低15分は漬け込むこと)

◎スープベースを炒める
鍋にサラダ油大さじ2を中火で熱し、みじん切りにしたシャロット3個・すりおろしにんにく1片を1〜2分炒める。ターメリックパウダー小さじ1.5・アナトーオイル(またはパプリカパウダー小さじ1)を加えてさらに30秒炒め合わせる。(ターメリックとアナトーオイルがミークアンの鮮やかな黄金色スープを作る二つの要素。アナトーオイルはアチオテの種をサラダ油で熱してオレンジ色に染めた油で、市販のパプリカパウダーで色と風味を補うことができる)

◎えびと豚肉を炒める
漬け込んだえびと豚肉を加えて強火で3〜4分炒める。えびの色が変わり豚肉に焼き色がついたら、スープストック(または水)400mlを加えてひと煮立ちさせる。(強火で素早く炒めることで焦げ目がつき、スープに香ばしさが移る。スープストックは鶏ガラスープの素を溶かしたものでも十分美味しく仕上がる)

◎スープを仕上げる
ナンプラー大さじ1.5・砂糖小さじ1・塩少々を加えて味を調える。スープは麺にかけるソース的な役割のため、通常のスープより濃いめの味付けに仕上げておく。弱火で5分ほど煮込んで旨みをなじませる。(ミークアンのスープは「かけるタレ」と表現したほうが近い。塩気は通常の麺スープより強めで、少量を麺全体に絡めてちょうどよい濃度に仕上げておくことが大切)

◎麺を茹でる
ミークアン用の幅広平打ち米麺(または乾燥フォー麺・ライスペーパーを切ったもの)を袋の表示通りに茹でて冷水でしめ、水気をよく切る。(ミークアンの麺はフォーの麺より幅が広くやや厚みがある平打ち米麺。乾燥フォー麺で代用する場合は幅広のものを選ぶとよい。ライスペーパーを水で戻して切ったもので代用する方法もある)

◎バインダードンを準備する
ライスクラッカー(バインダードン)を食べやすい大きさに割っておく。(バインダードンはミークアンに欠かせないパリパリの食感のアクセント。米粉で作ったごま入りのクラッカーで、アジア食材店で入手できる。なければ薄焼きせんべいや米菓子で代用できる)

◎盛り付け

ベトナムの定番ミークアンの完成品 盛り付け画像
深めの器に麺を盛り、えびと豚肉を美しく並べる。熱々のスープを麺が半分浸かる程度の少量だけ注ぐ。砕いたローストピーナッツをたっぷり散らし、フライドシャロットをのせる。バインダードンを器の縁に立てかけ、青ねぎ・パクチー・ミント・もやし・レタスのざく切りを盛り付けてライムを添えて完成。食べるときはよく混ぜてからいただく。

料理の歴史と背景

ミークアンはベトナム中部クアンナム省に根付く郷土料理で、省都タムキーとともにダナン・ホイアンを含む中部沿岸部の食文化圏を象徴する麺料理です。クアンナムという地名がそのまま料理名になっていることからもわかる通り、この土地のアイデンティティと深く結びついた料理であり、クアンナム省民にとってミークアンは故郷の味そのものです。スープを少量だけ使うスタイルの起源については、かつてスープの材料が貴重だった農村部で、少ない材料を最大限に活かすために考案されたという説が語られています。ターメリックの使用は中部ベトナムとインドのスパイス文化との交易の歴史を示しており、かつてホイアンが東南アジア最大級の国際貿易港として栄えた時代にインドの商人がもたらしたターメリックが中部の食文化に根付いたとされています。

現代のミークアンはクアンナム省を超えてベトナム中部全域に広まり、ダナンやホイアンを訪れる旅行者にとって必食の料理として定着しています。具材のバリエーションは豊富で、えびと豚肉の組み合わせが最もスタンダードですが、蟹・うずら卵・牛肉・蛙肉・きのこなど地域や店によって異なるトッピングが見られます。砕きピーナッツとバインダードンの食感のアクセントはミークアンのどのバリエーションにも共通するトレードマークで、この二つが揃わないとミークアンとは呼べないとされるほど重要な要素です。近年は日本でもベトナム中部料理への関心が高まっており、ホイアンやダナンの旅行体験とともにミークアンを語る人が増えています。少ないスープで麺を和えて食べるというシンプルでありながら奥深いスタイルは、ベトナム料理の多様性を改めて教えてくれる一杯です。

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