スイスの定番アルペンマカロニのレシピ
マカロニ・じゃがいも・グリュイエールチーズ・クリームを重ねて焼き上げ、カリカリに揚げた玉ねぎとリンゴのコンポートを添えるスイス・アルプスの山小屋料理。素朴な材料から生まれる深いコクのアルペンマカロニ本格レシピを紹介します。
材料
- マカロニ 200g
- じゃがいも 3個(400g)
- グリュイエールチーズ(すりおろし) 200g
- 生クリーム 200ml
- 玉ねぎ 1個
- バター 大さじ3
- 薄力粉 適量
- ナツメグ 少々
- 塩 適量
- 【リンゴのコンポート】
- リンゴ(酸味のある品種) 1個
- バター 大さじ1
- 砂糖 大さじ1
- シナモン 少々
アルペンマカロニ(Älplermagronen)はスイス・ドイツ語圏の山岳地帯に伝わる郷土料理で、マカロニとじゃがいもをグリュイエールチーズとクリームで絡めてオーブンで焼き上げ、カリカリに揚げた玉ねぎとリンゴのコンポートを添えて食べる。チーズフォンデュやラクレットと並ぶスイスの国民的なチーズ料理で、「アルプスのマカロニ」という名前が示す通り、夏の放牧期間に山小屋へ持ち込めるじゃがいも・チーズ・パスタという保存のきく食材だけで作られてきた。甘酸っぱいリンゴのコンポートをチーズの濃厚な一皿と合わせるという組み合わせは初めて聞くと不思議に思えるが、一口食べれば納得するスイスの食の知恵だ。
アルペンマカロニの作り方
◎じゃがいもとマカロニを茹でる
じゃがいも3個(400g)を一口大に切り、塩を加えた湯で8分茹でる。同じ鍋にマカロニ200gを加えてさらに8〜10分、じゃがいもが完全に柔らかくなるまで一緒に茹でる。茹で上がったら湯をよく切っておく。(じゃがいもとマカロニを同じ鍋で茹でることで工程が簡略化できる。じゃがいもは崩れやすいため大きめに切ること。茹で汁は少量取り置いておくとソースの調整に使える)
◎クリームチーズソースを作って絡める
鍋を弱火にかけ、生クリーム200mlを温める。すりおろしたグリュイエールチーズ150g(なければエメンタールチーズ)を加えて混ぜ、チーズが溶けてなめらかなソースになったら塩・ナツメグ少々で味を調える。茹で上がったじゃがいもとマカロニをソースに加えてよく絡め、耐熱皿に移す。残りのグリュイエールチーズ50gを上に散らす。(グリュイエールはスイス産の熟成チーズで、アルペンマカロニに最も合う。入手できない場合はコンテチーズ・ラクレットチーズでも代用できる。ソースが固い場合は取り置いた茹で汁を少量加えてのばす)
◎オーブンで焼く
200℃に予熱したオーブンで15〜20分、表面がこんがりと焼けてチーズに焼き色がつくまで焼く。(オーブンがない場合はフライパンで蓋をして弱火で10分加熱した後、仕上げにバーナーまたはグリルモードで表面を焼いても代用できる)
◎揚げ玉ねぎを作る
玉ねぎ1個を薄い輪切りにし、薄力粉を薄くまぶす。フライパンにバター大さじ2を熱し、中火でじっくりと炒める。玉ねぎがしんなりしてきたら火を少し強め、全体がこんがりきつね色になるまで15〜20分炒め続ける。仕上げに塩少々を振る。(揚げ玉ねぎはアルペンマカロニに欠かせないトッピングで、甘みと香ばしさが濃厚なチーズ味のパスタを引き締める。油で揚げても良いが、バターでゆっくり炒めた方がコクが出る)
◎リンゴのコンポートを作る
リンゴ1個(紅玉またはシナノゴールドなど酸味のある品種)を皮をむいて薄切りにし、バター大さじ1・砂糖大さじ1・シナモン少々とともに小鍋で中火で5〜7分、リンゴが柔らかくなるまで炒め煮にする。(リンゴのコンポートはチーズのしつこさをさっぱりとリセットする役割を持つ。酸味のある品種を選ぶことが重要で、甘いリンゴでは効果が薄れる。ジャムで代用することもあるが、コンポートの方が食感のアクセントになる)
◎盛り付ける

盛り付けたアルペンマカロニ
焼き上がったアルペンマカロニを耐熱皿のまま、または深皿に盛り付ける。上に揚げ玉ねぎをたっぷりのせ、リンゴのコンポートを隣に添える。パセリのみじん切りを散らしても良い。チーズが熱いうちに、リンゴと交互に食べるのがスイス流だ。
料理の歴史と背景
アルペンマカロニの起源はスイス・アルプスの夏の放牧文化にある。標高1500〜2000mの山岳地帯では、牛飼いたちが5月から10月にかけて山の牧草地(アルプ)で牛を放牧し、その乳からチーズを作りながら山小屋で数ヶ月を過ごした。山小屋に持ち込める食材は限られており、保存のきくじゃがいも・マカロニ・チーズ・玉ねぎを組み合わせて腹持ちの良い食事を作るのが自然な流れだった。「アルペンマカロニ」という名称の「アルペン」はアルプスを意味し、「マグロネン(Magronen)」はスイス・ドイツ語でマカロニを指す。マカロニ自体はイタリアからアルプスを越えてスイスに伝わった食材で、18〜19世紀にかけてスイスの山岳地帯の食卓に定着したとされている。
20世紀に入りスキーリゾートとしてスイスアルプスが国際的に注目されるようになると、アルペンマカロニはスキー客が山の食堂(ベルクレストラン)で食べる定番メニューとして広まった。現在もグリンデルワルドやツェルマットなどのスキーリゾートのレストランでは冬季メニューの定番として登場し、ゴンドラを降りた後に冷えた体を温める一皿として世界中の旅行者に親しまれている。スイス国内ではスーパーマーケットでインスタント版が販売されるほど生活に根付いた料理で、家庭ではそれぞれの家のレシピが受け継がれており、チーズの種類・クリームと牛乳の割合・リンゴの添え方に家庭ごとの個性が出る。
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