カンボジアの定番バイサイチュルークのレシピ
豚肉のゆで汁で炊いたジャスミンライスに、甘辛タレで焼いた豚肉を乗せるカンボジア版チキンライス。家庭で作れる本格レシピです。
材料
- 豚肩ロース肉(または豚バラ肉) 300g
- ヤシ砂糖(または砂糖) 大さじ2
- ナンプラー 大さじ2
- にんにく(すりおろし) 2かけ
- ごま油 小さじ1
- しょうが 50g
- 酢(なます用) 大さじ2
- 砂糖(なます用) 大さじ1
- 塩(なます用) ひとつまみ
- 水 400ml
- 鶏がらスープの素 小さじ1
- 青ねぎ 3本
- フライドガーリック 大さじ1
- 胡椒 少々
- 白ごはん 茶碗2杯分
- チリソース 適量
バイサイチュルーク(bai sach chrouk)は、カンボジアを代表する豚肉の炭火焼きごはんです。薄切りにした豚肉をヤシ砂糖・にんにく・ナンプラーで漬け込み、炭火でじっくり焼いて白ごはんにのせるシンプルな一皿。「バイ」はごはん、「サイチュルーク」は豚肉を意味し、プノンペンの路上では夜明けとともに炭火の煙が立ちのぼり、出勤前の市民が次々と屋台に吸い込まれていく朝の光景が毎日繰り広げられます。生姜のなますと澄んだスープを添えて食べるスタイルが定番で、カンボジア人が最も愛する朝食のひとつです。炭火の香ばしさを家庭のグリルで再現できる本格レシピをご紹介します。
バイサイチュルークの作り方
◎豚肉を漬け込む
豚肩ロース肉または豚バラ肉を繊維に沿って薄切りにし、ヤシ砂糖(または砂糖)・ナンプラー・にんにく(すりおろし)・ ごま油を揉み込む。冷蔵庫で最低2時間、できれば一晩漬け込む。(薄く切ることで短時間で味が染み込み、焼いたときにカラメル化した甘みが出る)
◎生姜のなますを作る
しょうがをせん切りにし、酢・砂糖・塩を合わせた甘酢に30分以上漬け込む。ピンク色に染まった甘酸っぱいなますが豚肉の脂をさっぱりと流してくれる。(なますは前日に仕込んでおくと味がよくなじむ)
◎スープを作る
鍋に水を入れ、鶏がらスープの素・塩・胡椒で薄めのスープを作る。青ねぎを小口切りにして浮かべ、好みでフライドガーリックを加える。(バイサイチュルークに添えるスープは主役ではなく、口直しのための澄んだ軽いものがカンボジアスタイル)
◎豚肉を焼く
魚焼きグリルまたはフライパンを強火でしっかり熱し、漬け込んだ豚肉を重ならないように並べる。両面に焼き色がつくまで焼き、砂糖のカラメル化によるツヤと香ばしさを引き出す。(焦げやすいため目を離さず、こまめに返しながら焼く)
◎盛り付け

茶碗に白ごはんをよそい、焼き上がった豚肉をたっぷりのせる。生姜のなますを添え、スープを別椀で供して完成。フライドガーリックと青ねぎを散らし、好みでチリソースを添えるのがプノンペンの屋台スタイル。
料理の歴史と背景
バイサイチュルークはカンボジアの朝食文化を象徴する料理であり、その起源は中国南部からの移民が持ち込んだ焼き豚文化とクメールのごはん食の習慣が結びついたものとされています。ヤシ砂糖を使って肉を甘く漬け込む手法はカンボジア料理全般に見られる特徴であり、タイのガイヤーンやベトナムのブンチャーとは異なる、穏やかな甘みとカラメルの香ばしさがバイサイチュルーク固有の個性を生み出しています。
プノンペンでは早朝4時頃から仕込みを始める屋台が多く、6時を過ぎると行列ができる人気店も珍しくありません。炭火を使う屋台では前日から豚肉を漬け込み、当日の朝に一気に焼き上げるスタイルが受け継がれています。ポル・ポト政権崩壊後の復興期、食材が乏しい中でも豚肉とごはんというシンプルな組み合わせは比較的入手しやすく、再建途上のプノンペンで朝食屋台がいち早く復活した料理のひとつです。現在は観光客向けのレストランでも提供されるようになりましたが、地元の人々の間ではあくまでも路上の屋台で食べるものという意識が強く、プラスチックの椅子に腰かけて炭火の煙とともに食べる朝のバイサイチュルークこそが本物だという声は今も絶えません。
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