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マレーシアの定番チェンドルのレシピ

パンダンリーフで緑色に染めた米粉麺・小豆・ヤシ砂糖シロップ・ココナッツミルクをかき氷にのせるマレーシアの定番デザート。本格レシピを紹介します。

マレーシアの定番チェンドルのレシピ
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上の
郷土レシピ.com代表
35 調理時間
2人前 分量
約420kcal カロリー

材料

  • 米粉 80g(チェンドル麺用)
  • タピオカ粉 大さじ2(チェンドル麺用)
  • パンダンリーフ 5〜6枚(パンダン液用)+1枚(シロップ用)
  • 水 100ml(パンダン液用)
  • 塩 ひとつまみ(各種)
  • 乾燥小豆 100g
  • パームシュガー(なければきび砂糖) 大さじ3(小豆用)+100g(シロップ用)
  • 水 100ml(シロップ用)
  • ココナッツミルク 200ml
  • 塩 小さじ1/4(ココナッツミルク用)
  • 砕いた氷 たっぷり
  • コーン缶・ナタデココ・寒天ゼリー 好みで・適量

チェンドル(Cendol)は、パンダンリーフの緑色の米粉麺・甘く煮た小豆・パームシュガーのシロップ・冷たいココナッツミルクを砕いた氷の上に重ねるマレーシアを代表する氷菓デザートです。緑・赤・茶・白が重なるその鮮やかな色彩は見た目だけで食欲をそそり、一口食べるとパンダンの青い香り・パームシュガーのキャラメルに似た深い甘み・ココナッツミルクのまろやかなコクが次々と押し寄せる複雑な美味しさが広がります。マレーシア・シンガポール・インドネシア・タイ南部など東南アジア各国に同系統のデザートが存在しますが、ペナン島のチェンドルは世界中の食通が認める最高峰として特に名高く、ペナンを訪れる旅行者が行列を作る名物です。チェンドルの緑の麺をゼリー状に仕上げるための米粉とパンダンリーフの準備が最大の技術的なポイントですが、材料さえ揃えれば家庭でも本場に近い味を再現できます。暑い日に氷をたっぷり使って食べるチェンドルは、南国の食文化が生み出した最も完成されたひんやりスイーツのひとつです。

チェンドルの作り方

◎パンダン液を作る
パンダンリーフ(生または冷凍)5〜6枚を3cm長さに切り、水100mlとともにミキサーで撹拌する。ガーゼまたは茶こしで漉して鮮やかな緑色のパンダン液を作る。(パンダンリーフはチェンドルの緑色と独特の青い香りの源。生のものが最も香り豊かだが、冷凍品や市販のパンダンエキスで代用できる。漉したあとの搾りかすを再度少量の水で洗って絞ると液量を増やせる)

◎チェンドル麺の生地を作る
米粉80g・タピオカ粉大さじ2・塩ひとつまみをボウルに合わせ、パンダン液100mlを加えてよく混ぜ合わせてなめらかな生地を作る。小鍋に移して中火にかけ、木べらで絶えず混ぜながら加熱する。生地が半透明になりもったりとまとまってきたら火を止める。(生地が均一に固まるまで絶えずかき混ぜ続けることが焦げつきとダマを防ぐ鍵。半透明になったら火が通った合図。生地が熱いうちに次の工程に進む)

◎チェンドル麺を成形する
熱いうちに生地をチェンドル型(または底に小さな穴を開けたボウルやザル)に入れ、氷水を入れた大きなボウルの上で押し出す。生地が穴から押し出されて細い紐状になり、氷水に落ちて固まったらチェンドル麺の完成。氷水の中で冷やして水気を切り取り置く。(型がない場合はビニール袋の角に小さな穴を開けて絞り袋代わりにするか、スプーンで細長く氷水に落とすスタイルでも代用できる。氷水に落とすことで即座に固まるため素早く作業する)

◎小豆を煮る
乾燥小豆100gを一晩水に浸けて戻す。新しい水とともに鍋に入れて中火で40〜50分、豆が完全に柔らかくなるまで煮る。パームシュガー(なければきび砂糖)大さじ3・塩ひとつまみを加えてさらに5分煮含める。(小豆はしっかり柔らかくなってから砂糖を加えること。砂糖を早く加えると豆が硬くなる。煮汁は取り置いてシロップとして活用できる。市販の甘納豆を使えば工程を短縮できる)

◎パームシュガーシロップを作る
パームシュガー(なければきび砂糖)100g・水100ml・パンダンリーフ1枚・塩ひとつまみを小鍋に合わせて中火にかけ、砂糖が完全に溶けてとろりとするまで5〜7分煮詰める。パンダンリーフを取り出して冷ます。(パームシュガーのキャラメルに似た深みのある甘さがチェンドルの味の核心。白砂糖よりも色が濃くコクがあるため代用する場合はきび砂糖が最も近い。パンダンリーフを加えることでシロップに清涼感が加わる)

◎ココナッツミルクを準備する
ココナッツミルク200ml・塩小さじ1/4を軽く混ぜ合わせて冷蔵庫で冷やしておく。(塩を加えることでココナッツミルクの甘みが引き立つ。チェンドルに使うココナッツミルクは加熱せず冷たいまま使う。缶詰のココナッツミルクを使う場合は振ってから開けてよく混ぜること。できれば前日から冷蔵庫で冷やしておくとよりひんやりした仕上がりになる)

◎砕いた氷を作る
製氷機の氷またはブロック氷をかき氷器またはビニール袋に入れてタオルで包みハンマーで砕く。細かく砕くほど口当たりがよくなる。(氷は食べる直前に砕くのが理想。かき氷器があれば最も細かくふわふわに仕上がる。ビニール袋で砕く場合は粗めになるが食感のアクセントとして楽しめる)

◎盛り付ける

マレーシアの定番チェンドルの完成品 盛り付け画像
深めのグラスまたは器に砕いた氷をたっぷり盛る。チェンドル麺・甘く煮た小豆を氷の上に美しく盛り付ける。パームシュガーシロップをたっぷり回しかけ、冷たいココナッツミルクを注いで完成。好みでコーンの缶詰・ナタデココ・寒天ゼリーを加えてもよい。

料理の歴史と背景

チェンドルの起源は東南アジア全域に広がる「緑色の米粉麺を使った甘味」という共通の食文化の底流に求められます。インドネシア語では「チェンドル」、タイ語では「ロイチャオ」、ベトナム語では「バインロック」と呼ばれる類似の食品が各国に存在し、いずれも米粉を湯で練って穴から押し出した麺状の菓子を甘いシロップと合わせるという共通の構造を持ちます。マレーシアのチェンドルが他の国のバリエーションと異なる最大の特徴はパームシュガーとココナッツミルクという二つのヤシ由来の食材の組み合わせで、マレー半島の豊かなヤシの食文化がこのデザートを独自のスタイルに仕上げました。ペナン島のチェンドルが特に世界的な評価を受けるのはパームシュガーの品質と職人の技によるものとされており、100年以上の歴史を持つペナンの老舗チェンドル店はマレーシアの食文化遺産として国内外から訪問者が絶えません。

チェンドルはマレーシアの多民族社会を象徴するデザートでもあります。マレー系・中国系・インド系という三つの主要コミュニティすべてに愛されており、宗教や民族を超えて共有できる数少ない食文化のひとつとして特別な位置を占めています。マレーシア政府は2017年にチェンドルをマレーシアの国家遺産食品リストに登録し、その文化的価値を公式に認定しました。現代ではクアラルンプール・ペナン・マラッカのほかシンガポールにも有名店が存在し、地域によってトッピングの種類や甘さのバランスに微妙な違いがあります。日本でも東南アジア料理への関心の高まりとともにチェンドルを提供するカフェや飲食店が都市部に登場しており、パンダンの鮮やかな緑とパームシュガーの深い茶色が織りなす見た目の美しさがSNSでも注目を集めています。暑い季節に氷の上で輝くチェンドルの涼やかな色彩は、マレーシアの太陽と南国の甘みをそのまま閉じ込めたような存在です。

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