ベトナムの定番チェーのレシピ
チェー(Chè)はベトナムを代表する甘味デザートの総称で、豆・タピオカ・果物・ゼリーなどをパームシュガーのシロップとともに仕上げた温かいまたは冷たいスイーツです…
材料
- むき緑豆 100g
- 乾燥小豆 80g
- 小粒タピオカ 50g
- 寒天パウダー 2g
- ヤシクリーム(またはココナッツミルク) 50ml(ゼリー用)+100ml(ソース用)
- パームシュガー(なければきび砂糖) 大さじ3(小豆用)+大さじ4(シロップ用)
- 砂糖 大さじ2(緑豆用)+大さじ1(タピオカ用)
- 塩 各ひとつまみ
- 水 600ml(緑豆用)+適量(小豆用)+100ml(タピオカ砂糖水用)+150ml(シロップ用)+200ml(ゼリー用)
- 砕いた氷 たっぷり
- 食用色素(緑・黄など) 好みで適量
チェー(Chè)はベトナムを代表する甘味デザートの総称で、豆・タピオカ・果物・ゼリーなどをパームシュガーのシロップとともに仕上げた温かいまたは冷たいスイーツです。「チェー」という言葉ひとつで数十種類以上のバリエーションが存在し、具材・食べ方・地域によって全く異なる料理を指します。北部ハノイでは温かいものが多く、南部ホーチミンでは砕いた氷をたっぷり加えて食べる冷たいスタイルが主流です。屋台では大きなガラスの容器に色とりどりの具材が並べられ、客が好みの具材を選んで組み合わせるスタイルが一般的で、その鮮やかな色彩は通りがかりの人の目を引き止めます。今回はベトナム南部で最も親しまれているチェーバーマウ(三色チェー)をベースに、緑豆あん・小豆・タピオカ・ヤシゼリーを重ねた家庭で再現しやすいレシピをご紹介します。
チェーの作り方
◎緑豆あんを作る
皮をむいた緑豆(むき緑豆)100gをたっぷりの水に2時間浸水させる。ザルに上げて水気を切り、新しい水600mlとともに鍋に入れて中火で20〜25分、豆が完全に柔らかくなるまで煮る。水気を切ってボウルに移し、砂糖大さじ2・塩ひとつまみを加えてフォークまたはすり鉢で粗くつぶしてペースト状にする。(緑豆は浸水させることで均一に火が通りやすくなる。つぶし加減は完全なペーストより少し粒感を残す程度が食感のアクセントになる)
◎小豆を煮る
乾燥小豆80gを一晩水に浸けて戻す。新しい水とともに鍋に入れて中火で40〜50分、豆が柔らかくなるまで煮る。パームシュガー(なければきび砂糖)大さじ3・塩ひとつまみを加えてさらに5分煮含める。(小豆はしっかり柔らかく煮ることが大切。まだ硬さが残る状態で砂糖を加えると豆が硬くなるため、完全に柔らかくなってから砂糖を加えること。煮汁はシロップとして使うため捨てずに取り置く)
◎タピオカを茹でる
小粒タピオカ50gをたっぷりの沸騰した湯に加え、透明になるまで中火で15〜20分茹でる。ザルに上げて冷水でよく洗い、砂糖水(水100ml・砂糖大さじ1)に浸けておく。(タピオカは茹でている途中で何度かかき混ぜて鍋底につかないようにすること。中心まで透明になったら火が通った合図。砂糖水に浸けておくことでくっつき防止になる)
◎ヤシゼリーを作る
水200ml・ヤシクリーム(またはココナッツミルク)50ml・砂糖大さじ1・塩ひとつまみ・寒天パウダー2gを小鍋に合わせて中火で温め、寒天が完全に溶けたらバットに流して冷蔵庫で30分冷やし固める。固まったら1cm角のサイコロ状に切る。(ヤシクリームを加えることで白く濁ったまろやかなゼリーに仕上がる。食用色素で緑や黄色に着色するとチェーバーマウらしい鮮やかな色彩が生まれる)
◎ヤシシロップを作る
パームシュガー(またはきび砂糖)大さじ4・水150ml・塩ひとつまみを小鍋で中火にかけ、砂糖が完全に溶けてとろりとするまで5分ほど煮詰める。(パームシュガーのキャラメルのような深みのある甘さがチェーのシロップの個性。なければきび砂糖でもよいが、白砂糖よりコクが出る。シロップは冷蔵庫で1週間ほど保存できる)
◎ヤシクリームソースを作る
ココナッツミルク100ml・塩小さじ1/4を小鍋で弱火で温め、沸騰させないよう注意しながらひと混ぜする。(塩を加えることで甘みが引き立つ。仕上げにたっぷりかけることでチェーにまろやかなコクが加わる。沸騰させると分離するため弱火で優しく温める)
◎盛り付け

透明なグラスまたは深めの器に緑豆あん・小豆・タピオカ・ヤシゼリーを順番に重ねて盛り付ける。砕いた氷をたっぷりのせ、ヤシシロップを回しかける。仕上げにヤシクリームソースをたっぷりかけて完成。好みでパンダンゼリーや蓮の実を加えてもよい。
料理の歴史と背景
チェーの歴史はベトナムの食文化の深部に根ざしており、豆を甘く煮て食べる文化は中国の唐菓子文化の影響を受けながらベトナム独自のスタイルに発展したとされています。北部では宮廷文化とともにチェーが洗練され、フエのグエン王朝時代には宮廷に専属のチェー職人が存在し、宮廷チェー(チェーフエ)として格式ある菓子文化が育まれました。南部では植民地時代を経てフランス文化の影響を受けながらも、タピオカや南国の果物をふんだんに使ったカラフルで自由なスタイルが発展し、現在世界中で知られるチェーのイメージは主に南部ホーチミンのスタイルに基づいています。
現代のホーチミンではチェー屋台が街の至るところに立ち並び、放課後の学生から年配の市民まで年齢を問わず愛されるおやつとして日常に深く根付いています。チェーバーマウ(三色チェー)はその中でも最もポピュラーなスタイルで、緑・白・赤という三色の具材と白い氷・ヤシクリームの組み合わせが目にも鮮やかな南部の定番です。近年は日本でもベトナム料理への関心の高まりとともにチェー専門店が東京・大阪などの都市部に登場し、映えるビジュアルと優しい甘さが若い世代を中心に人気を集めています。多様な具材を自由に組み合わせるチェーの哲学は、食べる人の好みと季節の食材によって無限のバリエーションを生み出すことができ、ベトナムの食文化の豊かさと創造性を最も楽しい形で体験させてくれるデザートです。
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