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ベトナムの定番コムタムのレシピ

砕き米に炭火焼き豚肉・蒸し卵・豚皮を盛り合わせるホーチミン発祥の定番ランチ。ヌクチャムとすべての要素が絡む本格レシピを紹介します。

ベトナムの定番コムタムのレシピ
Author
上の
郷土レシピ.com代表
45 調理時間
2人前 分量
約550kcal カロリー

材料

  • コムタム(砕き米・なければジャスミンライス) 2合
  • 豚バラ肉(薄切り) 200g
  • 豚ひき肉 100g(チャートルン用)
  • 乾燥春雨 20g(チャートルン用)
  • 乾燥きくらげ 10g(チャートルン用)
  • 卵 2個(チャートルン用)
  • 揚げた豚皮(またはポークスナック) 40g
  • レモングラス 1本
  • にんにく 2片(漬けだれ用)+少々(ヌクチャム用)
  • ナンプラー 大さじ1.5(漬けだれ用)+小さじ1(ビービン用)+大さじ2(ヌクチャム用)
  • 砂糖 大さじ1(漬けだれ用)+小さじ1(ビービン用)+大さじ1.5(ヌクチャム用)
  • ライム 2個
  • 赤唐辛子 1本
  • 炒り米粉(またはすりごま) 大さじ1
  • サラダ油 大さじ1
  • 白こしょう 少々
  • 水 大さじ3(ヌクチャム用)
  • きゅうり・トマト・青ねぎ 付け合わせ用・各適量

コムタム(Cơm Tấm)は「砕き米のごはん」を意味し、ホーチミン(旧サイゴン)を中心とする南部ベトナムを代表する国民食です。精米の過程で砕けた米粒——コムタム——を炊いたごはんに、炭火で焼いた豚バラ肉のスライス(スウォン)・蒸し卵豚肉ケーキ(チャートルン)・豚皮の和え物(ビービン)を盛り合わせ、たっぷりのヌクチャムをかけて食べるのが基本スタイルです。もともと砕けた米は安価な食材として庶民の朝食に定着したものですが、その独特のふっくらとした食感と吸水性の高さが各種トッピングの旨みを受け止めるのに理想的であることが発見され、今ではホーチミンの食文化を象徴する料理として世界中の旅行者を魅了しています。早朝から店を開けるコムタム屋台の前に地元の人々がバイクで乗りつける光景は、ホーチミンの朝の原風景です。

コムタムの作り方

◎豚バラ肉を漬け込む
薄切りにした豚バラ肉200gにレモングラス(みじん切り)1本・すりおろしにんにく2片・ナンプラー大さじ1.5・砂糖大さじ1・ライム果汁大さじ1・サラダ油大さじ1・白こしょう少々を合わせてよく揉み込み、冷蔵庫で最低30分、できれば2〜3時間漬け込む。(漬け込み時間が長いほど肉に味が浸透して香ばしく仕上がる。レモングラスが手に入らない場合はレモンの皮のすりおろしで代用できる)

◎チャートルン(蒸し卵肉ケーキ)を作る
豚ひき肉100g・春雨(水で戻して刻む)20g・きくらげ(水で戻して細切り)10g・溶き卵2個・ナンプラー小さじ1・砂糖少々・白こしょう少々をボウルでよく混ぜ合わせ、耐熱の器に流し込む。蒸気の上がった蒸し器で中火15〜18分蒸す。(表面に竹串を刺してきれいな汁が出れば完成。蒸し上がったら食べやすい大きさにカットする。チャートルンはコムタムの主役のひとつで、省くと見た目も味も大きく物足りなくなる)

◎豚バラ肉を焼く
グリルまたはフライパンを強火で熱し、漬け込んだ豚バラ肉を並べて両面に焼き色がつくまで各2〜3分焼く。(強火で一気に焼き色をつけることが香ばしさの決め手。グリルパンを使うと炭火焼きに近い仕上がりになる。タレに砂糖が入っているため焦げやすいので目を離さないこと)

◎ビービン(豚皮の和え物)を作る
市販の揚げた豚皮(または厚みのある揚げせんべい)を食べやすく割り、砂糖小さじ1・ナンプラー小さじ1・すりおろしにんにく少々・炒り米粉(またはすりごま)大さじ1と和える。(本場ではゆでた豚皮を揚げて使うが、市販の豚皮スナックで手軽に代用できる。炒り米粉はもち米をフライパンで乾煎りして砕いたもので、香ばしさとまとまりを加える)

◎コムタム(砕き米)を炊く
コムタム(砕き米)を研いで通常の白米と同じ水加減で炊く。(コムタムは日本のアジア食材店やオンラインで入手できる。入手できない場合は普通のジャスミンライスで代用可能だが、砕き米特有のふっくらとした食感と旨みの吸い込みの良さは再現できない。炊き上がりはやや柔らかめになるのが正常)

◎ヌクチャムを作る
ナンプラー大さじ2・ライム果汁大さじ2・砂糖大さじ1.5・水大さじ3・すりおろしにんにく少々・刻んだ赤唐辛子1本を混ぜ合わせ、砂糖が溶けるまでよく混ぜる。(コムタムにかけるヌクチャムは通常より少し甘めに仕上げると全体のバランスがよくなる。砂糖の量はお好みで調節してよい)

◎盛り付け

ベトナムの定番コムタムの完成品 盛り付け画像
器にコムタムをたっぷり盛り、豚バラ肉・チャートルンのスライス・ビービンを美しく並べる。千切りにしたきゅうり・トマトのくし切り・青ねぎとラードの仕上げ油(または香味油)を添え、ヌクチャムを別添えにして完成。食べるときはヌクチャムを全体にたっぷりかけて混ぜながらいただく。

料理の歴史と背景

コムタムの起源は19世紀後半から20世紀初頭のサイゴンに求められます。精米技術が未発達だった時代、砕けた米粒は商品価値が低く安価に手に入ったため、貧しい労働者や農民が朝食として食べ始めたのが始まりとされています。当初は简素なおかずと合わせて食べられていたコムタムは、サイゴンの屋台文化の発展とともに徐々に具材が豊かになり、豚バラ肉・蒸し卵ケーキ・豚皮という現在の三点セットのスタイルが確立されていきました。フランス植民地時代にはフランス人の間にも広まり、サイゴンの食文化を代表する料理として認知されるようになったとされています。

1975年のサイゴン陥落後、南ベトナムから世界各地へ渡ったベトナム難民とともにコムタムも海外へ広まりました。アメリカ・フランス・オーストラリアのベトナム系コミュニティでは故郷の味として大切に受け継がれ、現地のベトナム料理店の看板メニューとして定着しています。現在のホーチミンでは早朝4時から営業するコムタム専門店が各街区に必ず存在し、バイクに乗ったまま注文して路上で食べるスタイルは今もホーチミンの朝の文化として生きています。砕き米という元来は粗末な食材が洗練された都市の味へと昇華した歴史は、ホーチミンという都市そのものの逞しさと重なり、コムタムはその象徴として今日も愛され続けています。
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