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台湾の定番豆花のレシピ

にがりで固めたやわらかな豆腐にショウガシロップと小豆・ピーナッツをのせる台湾を代表するデザート。絹のようになめらかな食感と優しい甘さを再現する本格レシピを、歴史とともに紹介します。

台湾の定番豆花のレシピ
Author
上の
郷土レシピ.com代表
40 調理時間
4人前 分量
約280kcal カロリー

材料

  • 大豆 200g(または市販の無調整豆乳500ml)
  • 硫酸カルシウム(食品用石膏・なければにがり) 小さじ1
  • 水 大さじ3(にがり液用)
  • 生姜 50g
  • 水 400ml(シロップ用)
  • 砂糖 100g(シロップ用)
  • 小豆 100g
  • 砂糖 大さじ3(小豆用)
  • ピーナッツ(生) 100g
  • 砂糖 大さじ2(ピーナッツ用)
  • 水 適量

豆花(ドウファ・Dòuhuā)は台湾を代表する豆腐デザートで、豆乳をにがり(硫酸カルシウムまたは石膏)でごく薄く固めた絹より繊細なやわらかさの豆腐をすくいながら器に盛り、ショウガの清涼感が香る温かいシロップまたは黒糖シロップをたっぷりとかけ、甘く煮た小豆・花生(ピーナッツ)・芋圓(タロイモ団子)・仙草ゼリー・タピオカ・白玉などお好みのトッピングを自由に組み合わせる、豆乳の淡い旨みと甘みのシロップと複数のトッピングの食感が重なり合う台湾全土の豆花専門店・夜市・食堂で老若男女に愛されている国民的デザートです。豆花の最大の個性はにがりで固めた豆腐が持つスプーンで崩れるほどの究極のやわらかさにあり、日本の豆腐とは別次元のとろとろと溶けるような繊細な食感はシロップとトッピングの甘みと絡み合うことで豆乳の淡い旨みを引き立てるという絶妙な素材の相互作用として機能しています。豆花の決め手は豆乳を作る際に大豆をできる限り細かくすりつぶして豆乳の濃度を十分に高めることで生まれるなめらかで濃厚な豆の旨みと、にがりを加えるタイミングと撹拌の加減を見極めることで生まれるとろとろでありながら形を保つ絶妙な固さの繊細なコントロールであり、この二つが揃って初めて台北の永康街・台南の水仙宮市場・高雄の六合夜市の名店が提供する一杯の品格に近づきます。台湾では豆花は温かいショウガシロップをかけた冬の温豆花と、かき氷または冷たいシロップをかけた夏の冷豆花の二通りで楽しむ文化があり、季節を問わず愛されるデザートとして朝食から深夜の夜市のシメまであらゆる時間帯に食べられており、一杯の豆花に台湾の大豆食文化の深さとシンプルな素材から生まれる豊かな美味しさへの哲学が凝縮されています。

豆花の作り方

◎豆乳を作る
大豆200gをたっぷりの水に一晩浸けて戻す。水気を切ってミキサーに水600mlとともに入れ、なめらかになるまで2〜3分攪拌する。布またはガーゼで漉して豆乳と豆カスに分ける。豆乳を鍋に移して中火で沸騰させ、アクを取り除きながら5〜7分煮る。(市販の無調整豆乳500mlで代用すると手軽に作れる。ただし自家製豆乳のほうが濃度が高く豆の旨みが豊かで豆花らしいなめらかな仕上がりになる。豆乳を煮るときに吹きこぼれやすいので目を離さないこと)

◎にがり液を作る
硫酸カルシウム(食品用石膏・なければにがり)小さじ1と水大さじ3をよく混ぜて溶かしておく。(硫酸カルシウムは台湾式豆花の伝統的な凝固剤でなめらかでとろとろとした食感を生む。にがりを使うと少しざらつきのある食感になる。どちらも製菓材料店またはアジア系食材店で入手できる。水に完全に溶かしておくことが均一な固まりの条件)

◎豆花を固める
にがり液を大きめのボウルまたは深めの容器に入れておく。煮立てた豆乳を70〜75℃に冷ます。にがり液が入った容器に70〜75℃の豆乳を一気に高い位置から勢いよく注ぎ込む。すぐに蓋またはラップをかけて動かさずに15〜20分置く。(豆乳の温度管理が豆花成功の最重要ポイント。熱すぎると固まりすぎてぼそぼそになり、低すぎると固まらない。注ぐ際の勢いがにがり液と豆乳を均一に混ぜる役割を担う。固まるまで絶対に動かさないこと)

◎ショウガシロップを作る
生姜50g(薄切り)・水400ml・砂糖100gを鍋に合わせて中火で沸騰させ、弱火で10分煮出す。火を止めてそのまま10分蒸らして生姜を取り出す。(温かいショウガシロップは冬の定番スタイル。夏は黒砂糖シロップ・かき氷・冷たい豆乳で楽しむ。生姜は量を多めに使うほど清涼感と香りが強くなる)

◎小豆とピーナッツを煮る
小豆100gを一晩水に浸けてから鍋に水500mlとともに入れ沸騰させ、弱火で40〜50分柔らかくなるまで煮て砂糖大さじ3を加えて5分煮詰める。ピーナッツ(生)100gを水600mlとともに圧力鍋で20分または通常の鍋で1時間以上柔らかくなるまで煮て砂糖大さじ2を加えて味をつける。(小豆とピーナッツは豆花の定番トッピング。市販の甘納豆または缶詰を使うと手軽に代用できる。芋圓やタピオカを追加すると台湾の専門店スタイルに近づく)

◎盛り付ける

台湾の定番豆花の完成品 盛り付け画像

固まった豆花をスプーンで大きくすくって器に盛る。甘く煮た小豆とピーナッツをのせ、温かいショウガシロップをたっぷりと注いで完成。夏スタイルは冷たいシロップをかけるかかき氷をのせて楽しむ。

料理の歴史と背景

豆花の起源は中国大陸の豆腐文化にあり、豆腐の製造過程で完全に固める前のやわらかな状態を甘いシロップとともに食べたことが豆花の原型とされています。中国では「豆腐花(ドウフーファ)」または「豆腐脳(ドウフーナオ)」として北部では塩味仕立て・南部では甘い仕立てで食べる習慣が長く続いており、台湾への漢民族の移住とともにこの甘い豆腐デザートの文化が持ち込まれました。台湾では日本統治時代(1895〜1945年)を経て戦後に外省人が大陸各地の食文化を持ち込んだことで豆花の多様なスタイルが融合し、現在の台湾独自の豆花文化が形成されました。生姜シロップを合わせる台湾スタイル・小豆やピーナッツをトッピングする組み合わせ・芋圓という台湾独自のタロイモ団子の添え方などはすべて台湾で独自に発展した要素であり、中国大陸の豆腐花とは明確に異なる台湾固有のデザート文化として確立されています。1970〜80年代に台湾の経済成長とともに豆花専門店が各地の夜市や商店街に増加し、夜市文化の発展とともに台湾を代表するデザートとしての地位を確立しました。

現代の台湾において豆花は台北・台南・高雄・台中など全国の豆花専門店・夜市・朝食店で朝から深夜まで日常的に食べることができ、台湾人にとって最も親しみ深いデザートのひとつとして老若男女すべての生活に根付いています。台南は豆花の聖地として知られており台南スタイルの豆花は生姜シロップのみのシンプルさで豆の旨みを最大限に引き立てるという哲学を持ち、台北では芋圓・仙草・タピオカ・白玉など多彩なトッピングを組み合わせる豪華なスタイルが人気を集めるというように地域によって異なるスタイルへの誇りと愛着が文化として受け継がれています。近年は黒糖タピオカブームとともに豆花の国際的な知名度が急上昇しており、台湾料理専門店が増えた各国の都市でも豆花を提供する店が増えています。日本では台湾料理専門店・アジアンスイーツ店での提供が増えており、絹よりやわらかいとろとろの豆腐と生姜シロップの清涼感が溶け合う繊細な美味しさは、豆腐と和スイーツの文化に親しんだ日本人の味覚に最も自然に馴染む台湾デザートとして高い人気を誇っています。

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