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フィリピンの定番ハロハロのレシピ

かき氷の上に小豆・ナタデココ・ハロハロゼリー・アイスクリームを色とりどりに重ねて混ぜながら食べるフィリピンを代表するデザート。南国の甘さと食感の豊かさを再現する本格レシピを、歴史とともに紹介します。

フィリピンの定番ハロハロのレシピ
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郷土レシピ.com代表

材料

  • かき氷 適量
  • 小豆 100g(甘煮用)
  • 砂糖 大さじ3(甘煮用)
  • 卵 2個(プリン用)
  • 卵黄 2個(プリン用)
  • コンデンスミルク 100ml(プリン用)+大さじ4(仕上げ用)
  • ココナッツミルク 200ml(プリン用)+大さじ2(ウベ用)
  • バニラエッセンス 少々
  • 砂糖 大さじ3(カラメル用)
  • 冷凍ウベ(紫山芋) 200g
  • 砂糖 大さじ1(ウベ用)
  • ナタデココ 100g
  • スウィートコーン(缶詰) 大さじ2
  • マカプーノ(甘いヤシの実) 大さじ2
  • カランタスビーンズ(甘煮白インゲン豆) 大さじ2
  • ウベアイスクリーム(市販品) 2スクープ

ハロハロ(Halo-Halo)はフィリピン語で「混ぜ混ぜ」を意味するフィリピンを代表するかき氷デザートで、細かく削った氷の上にサブ(甘く煮た小豆)・ナタデココ・カランタスビーンズ(甘く煮た白インゲン豆)・ランゾーネスゼリー・カボチャの甘煮・スウィートコーン・マカプーノ(甘いヤシの実)・プラン(パームシュガーのプリン)・ウベ(紫山芋)アイスクリームを色とりどりに重ね、仕上げにコンデンスミルクをたっぷりと回しかけてかき氷全体を混ぜながら食べる、甘み・酸み・コク・複数の食感が一杯の中に豊かに共存するルソン島マニラを中心に全国で愛されているフィリピンの国民的冷菓です。ハロハロの最大の個性はひとつの器の中に10種類以上の具材が重なりあい、食べるたびにスプーンが異なる素材に出会うことで口の中で予測不能な甘さと食感の変化が連続するという唯一無二の食体験にあり、かき氷という単純な冷菓を超えたフィリピンの食文化の創造性と豊かさを体現しています。ハロハロの決め手はウベ(紫山芋)アイスクリームの鮮やかな紫色とコンデンスミルクの濃厚な甘みが溶けた氷と混ざり合うことで生まれる淡い紫色のクリーミーな一体感と、異なる甘さと食感を持つ10種類以上の具材が混ざり合うことで生まれる複雑で重層的な美味しさであり、この二つが揃って初めて本場マニラやセブのハロハロ専門店でガラスの大きなカップに豪快に盛られる定番の味に近づきます。フィリピンでは3月から5月の乾季の猛暑の時期に最もよく食べられ、路地裏の屋台・ファストフード店・高級レストランまであらゆる場所でハロハロが提供されており、一杯のハロハロがもたらす涼しさと甘さの幸福感はフィリピン人にとって夏の暑さと切り離せない感情的な記憶として国民に深く愛されています。

ハロハロの作り方

◎甘煮小豆を作る
小豆100gを一晩水に浸けてから鍋に水500mlとともに入れて沸騰させる。弱火で40〜50分、豆が柔らかくなるまで煮て砂糖大さじ3・塩ひとつまみを加えて5分煮詰める。冷ましておく。(市販の甘納豆または缶詰の小豆で代用すると手軽に作れる。煮豆は冷蔵で3日間保存できる。甘さは好みに合わせて砂糖の量を調整すること)

◎プランを作る
卵2個・卵黄2個・コンデンスミルク100ml・ココナッツミルク200ml・バニラエッセンス少々をボウルに合わせてよく混ぜ、ザルで漉す。カラメル(砂糖大さじ3を乾煎りして琥珀色になったら湯大さじ2を加える)をプリン型の底に流し込み、卵液を注いで湯煎で170℃のオーブンで35〜40分蒸し焼きにする。冷蔵庫で2時間以上冷やす。(プランはフィリピン版クレームキャラメルでハロハロに欠かせないトッピング。ココナッツミルクを使うことで南国らしい甘みとコクが加わる。市販のプリンで代用も可能)

◎ウベハルヤを作る
冷凍ウベ(紫山芋)200gを解凍して鍋に入れ、コンデンスミルク大さじ3・ココナッツミルク大さじ2・砂糖大さじ1を加えて弱火で混ぜながら5〜7分、もったりとするまで煮詰める。冷ましてから冷蔵庫で保存する。(ウベはフィリピン料理に欠かせない紫山芋でアジア系食材店の冷凍品が入手しやすい。鮮やかな紫色がハロハロの視覚的な印象を決定づける核心的な食材。なければタロイモで代用できるが色は異なる)

◎具材を準備する
ナタデココ(市販品)100gの汁気を切る。スウィートコーン(缶詰)大さじ2の汁気を切る。マカプーノ(甘いヤシの実・市販品)大さじ2を用意する。カランタスビーンズ(甘く煮た白インゲン豆・市販品または自家製)大さじ2を用意する。(ハロハロの具材は地域・家庭・店によって自由度が高く決まったルールはない。入手できた具材を組み合わせて楽しむことがハロハロの精神。米粉ゼリー・ランゾーネスゼリー・さつまいもの甘煮なども定番の具材)

◎盛り付ける

フィリピンの定番ハロハロの完成品 盛り付け画像

大きなガラスのカップまたは深めの器に甘煮小豆・ナタデココ・スウィートコーン・マカプーノ・カランタスビーンズを半量ずつ入れる。かき氷をカップいっぱいになるまで高く盛り上げる。残りの具材をかき氷の上に彩りよくのせ、ウベハルヤ大さじ2・プランひとかけらをのせる。コンデンスミルク大さじ2をたっぷりと回しかけ、ウベアイスクリーム(市販品)1スクープをのせて完成。

料理の歴史と背景

ハロハロの起源は20世紀初頭にフィリピンに移住した日本人移民の食文化に求められるという説が最も広く受け入れられています。日本の「みつまめ」や「あんみつ」に似た甘く煮た豆と氷を組み合わせる食文化を持つ日本人移民がルソン島中部のパンパンガ州周辺に定住し、地元のフィリピン人にかき氷と甘い豆の組み合わせを広めたことがハロハロ誕生の契機となったとされています。当初は甘く煮た豆とかき氷のシンプルな組み合わせだったものが、フィリピンの豊富な熱帯果物・ヤシの実・地場の甘味食材が次々と加えられることで現在の多様な具材を重ねるスタイルへと発展しました。スペイン植民地時代(1565〜1898年)にもたらされたコンデンスミルクの甘さとプランという菓子文化、アメリカ統治時代(1898〜1946年)に普及した機械式かき氷製造の技術、そして日本からもたらされた甘煮豆の食文化という三つの異なる食文化の層が重なり合うことでハロハロというフィリピン独自の混ぜ合わせデザートが誕生したという歴史はそのままフィリピンという国の複雑な植民地の歴史と食文化の重層性を体現しています。

現代のフィリピンにおいてハロハロはマニラ・セブ・ダバオなど全国の街角の屋台・ファストフードチェーン・高級ホテルのデザートメニューまであらゆる場所で年間を通じて提供されており、特に乾季の猛暑の時期には全国民が競うようにハロハロを求める光景が広がります。フィリピンの国民的ファストフードチェーンであるジョリビーのハロハロは全国統一のレシピで提供される最も広く食べられているバージョンとして定着している一方で、各地の屋台や専門店が独自の具材と配合を競い合う職人的なハロハロ文化も根強く続いています。フィリピン系移民コミュニティが多く暮らすアメリカ・カナダ・UAE・日本などの都市でもフィリピン料理店でハロハロが提供されており、ウベの鮮やかな紫色と多様な具材が重なる視覚的な華やかさがSNSで拡散されることで国際的な知名度が急上昇しています。日本ではフィリピン料理専門店やアジアンスイーツ店でハロハロを提供する店が増えており、かき氷文化に親しんだ日本人にも直感的に理解しやすいデザートとして、混ぜながら変化していく多層的な甘さと食感の豊かさが新鮮な体験をもたらす料理として高い人気を誇っています。

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