イスラエル

イスラエルの定番イスラエルサラダのレシピ

トマトときゅうりをさいの目に刻みオリーブオイルとレモンで和えるだけのイスラエルを代表するサラダ。朝食から夕食まで食卓に欠かせない地中海の滋味あふれる本格レシピを、歴史とともに紹介します。

イスラエルの定番イスラエルサラダのレシピ
Author
上の
郷土レシピ.com代表
10 調理時間
2人前 分量
約120kcal カロリー

材料

  • 完熟トマト 2個
  • きゅうり 1本
  • 玉ねぎ 1/4個
  • 赤パプリカ 1/2個
  • パクチーまたはパセリ ひとつかみ
  • ミント 数枚(お好みで)
  • オリーブオイル 大さじ2
  • レモン果汁 大さじ2
  • 塩 小さじ1/2
  • ザアタル 適量(お好みで)

イスラエルサラダ(סלט ישראלי)はイスラエルを代表するサラダ料理で、完熟トマト・きゅうり・玉ねぎ・パプリカをできる限り細かくさいの目に刻み、フレッシュなレモン果汁と良質なオリーブオイル・塩だけで和えるという極限までシンプルな調理法によって、野菜本来の甘みと水分と酸みが三位一体となった地中海の太陽を感じさせる清涼感あふれる一皿に仕上がるイスラエルの国民的サラダです。イスラエルサラダの最大の個性は調理法の徹底したシンプルさにあり、火を使わず包丁とまな板だけで作られるにもかかわらずトマトときゅうりをできる限り細かく均一に刻むという一点だけで味と食感が劇的に変化するという事実が、この料理の奥深さと職人的なこだわりを体現しています。完熟トマトの甘みと酸みがレモン果汁と混ざり合ってドレッシングとなり、細かく刻まれたきゅうりのみずみずしい水分がその酸みを和らげ、オリーブオイルのまろやかなコクが全体をひとつにまとめるという三者の相互作用がイスラエルサラダの完成度を決定づけます。イスラエルサラダの決め手は野菜をできる限り細かく均一にさいの目に刻むことで生まれる食材の一体感と、和えてから10分以内に食べることで野菜の食感とドレッシングの鮮度が最高の状態で重なることであり、この二つが揃って初めば本場テルアビブやエルサレムの家庭の朝食テーブルで毎朝作られる味に近づきます。イスラエルでは朝食・昼食・夕食のすべての食卓にイスラエルサラダが並ぶことが日常であり、シャクシュカ・フムス・ピタパンとともに並ぶイスラエル式朝食の象徴的な存在として、ユダヤ系・アラブ系・ドゥルーズ系すべての市民が共有する数少ない料理のひとつとしてイスラエル社会に深く根付いています。

イスラエルサラダの作り方

◎野菜をさいの目に刻む
完熟トマト2個のへたを取り、できる限り細かく5mm以下のさいの目に刻む。きゅうり1本を同じ大きさのさいの目に刻む。玉ねぎ1/4個を同様に細かく刻む。赤パプリカ1/2個を同じ大きさのさいの目に刻む。(野菜を細かく均一に刻むことがイスラエルサラダの命。刻む大きさが均一であるほど野菜の水分と旨みが均一に混ざり合い食感の一体感が生まれる。トマトは完熟のものを選ぶこと。水っぽいトマトではドレッシングが薄まる。きゅうりの種が気になる場合はスプーンでかき出してから刻むと余分な水分が出にくくなる)

◎ハーブを加える
パクチーまたはパセリひとつかみを細かく刻んで加える。好みでミントの葉を数枚刻んで加える。(イスラエルではパクチー派とパセリ派に分かれており家庭によって使うハーブが異なる。パクチーはエスニックな香りを加え、パセリはより穏やかな清涼感をもたらす。ミントを加えると地中海らしい爽やかさが増す。どちらも省略して野菜だけのシンプルなスタイルも本場の定番)

◎和える
刻んだすべての野菜とハーブをボウルに合わせ、オリーブオイル大さじ2・レモン果汁大さじ2・塩小さじ1/2を加えて全体を大きく和える。味見をして塩・レモン果汁で整える。(和えたらすぐに食べることが最大のポイント。時間が置くと野菜から水分が出てドレッシングが薄まり食感が失われる。レモンは搾りたてを使うこと。瓶詰めのレモン果汁では香りが大きく異なる。オリーブオイルは良質なエクストラバージンを使うほど味が引き立つ)

◎盛り付ける

イスラエルの定番イスラエルサラダの完成品 盛り付け画像

深めの皿にこんもりと盛り付ける。好みでザアタル(タイム・ゴマ・スマックを合わせた中東のハーブスパイスミックス)を散らし、オリーブオイルをひと回しかけて完成。ピタパン・フムス・シャクシュカとともにイスラエル式朝食として食べるのが定番スタイル。

料理の歴史と背景

イスラエルサラダの起源はオスマン帝国時代のパレスチナ・レバント地方に暮らすアラブ系住民の食文化に求められます。地中海沿岸の乾燥した気候の中でトマト・きゅうり・玉ねぎといった夏野菜が豊富に収穫されるパレスチナ・レバント地方では、新鮮な野菜をオリーブオイルとレモンで和えて食べるというシンプルなサラダが古くから日常食として根付いていました。20世紀初頭から始まったシオニズム運動によってヨーロッパ各地から移民したユダヤ系移民(アシュケナジム)が現地アラブの食文化と接触する中でこの野菜サラダを日常の食卓に取り入れ、1948年のイスラエル建国後には国家の食文化として全国に普及したとされています。「イスラエルサラダ」という名称自体は比較的新しく、元々はアラブ世界で広く食べられていた「アラブサラダ」あるいは「シャラカ(Shalaka)」として知られていた料理が、イスラエルという国家の食文化として定着する過程で現在の名前で呼ばれるようになったという歴史的経緯があり、料理の名称と帰属をめぐる議論は今日も続いています。中東各国でほぼ同じ料理がアラブサラダ・シリアンサラダ・レバノンサラダなど異なる名前で親しまれており、国境を越えて共有される地中海野菜文化の普遍性を体現しています。

現代のイスラエルにおいてイスラエルサラダは朝食・昼食・夕食を問わずすべての食卓に並ぶ日常食として定着しており、ホテルのビュッフェ・家庭の食卓・軍隊の食堂・路上のシュワルマ店まであらゆる場所でイスラエルサラダが提供されています。イスラエルの「朝食文化」は世界的に有名であり、フムス・ラバネ(水切りヨーグルト)・ピタパン・シャクシュカ・様々な種類のサラダが並ぶイスラエル式朝食はテルアビブのカフェ文化を通じて世界中に紹介され、イスラエル料理の国際的な評価の高まりとともにイスラエルサラダもその象徴的な存在として世界各国のイスラエル料理店・地中海料理店のメニューに登場するようになりました。日本ではイスラエル料理・中東料理専門店での提供が少しずつ増えており、トマトときゅうりとオリーブオイルという日本人にも馴染みのある食材だけで作られるシンプルさと、細かく刻むことで生まれる食感の一体感は、漬物や浅漬けの文化に親しんだ日本人の味覚にも直感的に理解しやすいサラダとして関心が高まっています。

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