ハンガリーの定番ランゴシュのレシピ
イースト生地を薄く伸ばして揚げ、サワークリームとすりおろしチーズをたっぷりのせるハンガリーの定番ストリートフード。本格レシピを紹介します。
材料
- 強力粉 250g
- ドライイースト 小さじ1
- 砂糖 小さじ1
- 塩 小さじ1
- ぬるま湯(40℃前後) 150ml
- サワークリーム(テュフェル) 100g
- すりおろしチーズ(エメンタールまたはゴーダ) 80g
- にんにく 1かけ
- サラダ油(揚げ油) 適量
ランゴシュ(lángos)は、イーストで発酵させた生地を薄く伸ばして揚げ、サワークリームとすりおろしチーズをのせるハンガリーの定番ストリートフードです。「ランゴシュ」の語源はハンガリー語の「láng(炎・火)」に由来し、もともとはパン焼き窯の火口近くで残った生地を焼いたことに始まります。外側はカリッと香ばしく、内側はふわっとやわらかい食感と、酸味のあるサワークリームの組み合わせがクセになる味わいで、バラトン湖畔の屋台や市場の食べ歩きグルメとしてハンガリー人に広く愛されています。シンプルな材料で作れる生地はイースト発酵が必要なため、時間はかかりますが手順は難しくありません。本場ハンガリーの味を自宅で再現できる本格レシピをご紹介します。
ランゴシュの作り方
◎生地を作る
ボウルに強力粉・砂糖・塩を入れて混ぜる。別の容器でぬるま湯にドライイーストを溶かし、5分ほど置いて泡立ってきたことを確認してから粉に加える。手でひとまとまりになるまで混ぜ、打ち粉をした台の上で8〜10分こねる。(生地はやや柔らかくべたつくくらいが正解。強力粉を足しすぎると揚げたときに硬くなるので、手に少量の油を塗りながらこねるとよい)
◎生地を発酵させる
こねた生地を丸めてボウルに入れ、ラップをかけて暖かい場所で1時間ほど休ませる。生地が2倍程度に膨らんだら発酵完了のサインだ。(オーブンを40℃に設定して中に置くと発酵が安定する。冬場は時間を1時間半〜2時間に延ばすとよい)
◎成形する
打ち粉をした台に生地を取り出してガス抜きし、4等分に切り分ける。それぞれを手でやさしく直径15〜20cmの丸形に引き伸ばす。中央をやや薄く、縁を少し厚めに残すのがランゴシュらしい仕上がりになるポイントだ。(麺棒を使うと生地が締まりすぎるので、手で伸ばすこと)
◎揚げる
深めのフライパンまたは鍋に油を2〜3cm入れ、180℃に熱する。成形した生地を1枚ずつそっと油に入れ、片面2〜3分ずつ、全体がきつね色になるまで揚げる。揚がったらキッチンペーパーの上に取り出して油をきる。(油が少ないと均一に揚がらず生焼けになりやすい。たっぷりの油でしっかり揚げるのが美味しさの鍵)
◎トッピングして仕上げる

盛り付けたランゴシュ
揚げたてのランゴシュの表面にカットしたにんにくの断面をすりつけ、香りを移す。その上にサワークリームをたっぷりと塗り広げ、すりおろしたチーズをかけて完成。熱いうちにすぐ食べるのが本場ハンガリーの食べ方だ。好みでフレッシュチーズ(クォーク)を使うアレンジや、スモークサーモン・きゅうり・ディルをのせた変わり種も人気がある。
料理の歴史と背景
ランゴシュの起源は中世ハンガリーのパン文化にあります。農民たちが毎朝パンを焼く際、窯の温度が下がりきる前に余った生地を窯の炎口(láng=炎)の近くで焼いて食べたのが始まりとされており、焼きたてを朝食として楽しむ習慣が各地に根付いていました。16〜17世紀にオスマン帝国がハンガリーを占領した時代に、中東から揚げ料理の文化が持ち込まれたことで「焼く」から「揚げる」へとスタイルが変化したと考えられています。この歴史的な転換によって、現在私たちが知る揚げたランゴシュの形が確立されました。
20世紀後半のハンガリーでは、ランゴシュは都市部の市場・遊園地・スポーツイベントのスタンドグルメとして急速に普及し、とりわけバラトン湖畔の夏の屋台では欠かせない存在となりました。サワークリーム(テュフェル)とすりおろしチーズ(レゼルトサイト)をのせるスタイルが定番として定着したのもこの時代です。現在はスロバキア・チェコ・オーストリアなど近隣国にも広まり、それぞれの国で独自のトッピングアレンジが生まれています。ハンガリー国内では「ブダペスト市場のランゴシュなしでは夏が始まらない」と言われるほど、日常に溶け込んだソウルフードとして今も愛され続けています。
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