ベトナムの定番ネムザンのレシピ
パリパリの薄皮に豚肉・春雨・きくらげを包んで揚げたベトナムの揚げ春巻き。サクサクの食感を出すコツと本格的な作り方を詳しく紹介します。
材料
- 豚ひき肉 200g
- 乾燥春雨 20g
- 乾燥きくらげ 10g
- にんじん 1/3本
- シャロット 2個
- にんにく 1片
- 卵 1個
- ライスペーパー 8〜10枚
- ナンプラー 大さじ1(タネ用)+大さじ2(ヌクチャム用)
- 砂糖 小さじ1/2(タネ用)+大さじ1.5(ヌクチャム用)
- 白こしょう 少々
- ライム 1個
- 赤唐辛子 1本
- 水 大さじ3
- 揚げ油 適量
- レタス・ミント・パクチー・きゅうり・もやし 付け合わせ用・各適量
ネムザン(Nem Rán/Chả Giò)はベトナムを代表する揚げ春巻きで、薄いライスペーパーに豚ひき肉・春雨・きくらげ・野菜を包んで揚げた、パリパリの食感が病みつきになる一皿です。北部では「ネムザン」、南部では「チャーゾー」と呼ばれ、地域によって名前も具材も微妙に異なりますが、揚げたてをレタスやハーブで包み、甘酸っぱいヌクチャム(ナンプラーベースのディップソース)に浸して食べるスタイルはベトナム全土に共通しています。結婚式・テト(旧正月)・誕生日など祝いの席には必ず登場し、家族総出でライスペーパーを巻く作業をする光景はベトナムの家庭の原風景のひとつです。揚げたてのあの軽やかなサクサク感は、作りたての家庭料理ならではの醍醐味です。
ネムザンの作り方
◎具材を準備する
乾燥春雨20gを水で戻して食べやすい長さに切る。乾燥きくらげ10gを水で戻して細切りにする。にんじん1/3本をせん切りにする。(春雨ときくらげはしっかり水気を切っておくことが重要。水分が残っていると揚げたときに油が跳ねたり皮が破れる原因になる)
◎タネを作る
豚ひき肉200gに春雨・きくらげ・にんじん・みじん切りにしたシャロット2個・すりおろしにんにく1片・ナンプラー大さじ1・砂糖小さじ1/2・白こしょう少々・溶き卵1個分を加え、全体がよくなじむまで手でこねる。(タネは粘りが出るまでしっかりこねることで揚げたときに崩れにくくなる。こねた後に冷蔵庫で15〜30分休ませると巻きやすくなる)
◎ライスペーパーを準備する
ライスペーパーを1枚ずつ水にさっとくぐらせ、やわらかくなるまで10〜15秒待つ。濡れたふきんの上に広げる。(ライスペーパーは水につけすぎると破れやすくなる。表面全体がしんなりした程度で取り出し、数秒おいて均一にやわらかくなってから包み始めるのがコツ)
◎巻く
ライスペーパーの手前1/3にタネを細長く置き、手前から一度折りたたんで両端を内側に折り込み、くるりと巻いて筒状に成形する。巻き終わりを下にして置く。(タネを詰めすぎると揚げたときに破裂するので八分目が目安。空気が入らないようにしっかりと巻き、巻き終わりはライスペーパーの水分で自然に接着する)
◎揚げる
フライパンに揚げ油を底から3cm程度入れて160℃に熱し、春巻きを並べ入れる。転がしながら全面がきつね色になるまで5〜6分揚げる。一度取り出して油の温度を180℃に上げ、再び30〜40秒揚げて表面をパリッと仕上げる。(二度揚げがパリパリ食感の決め手。一度目で中まで火を通し、二度目で表面をカリッと仕上げる。揚げ油の温度が低いと皮が油を吸ってベタつくので温度管理に注意する)
◎ヌクチャムを作る
ナンプラー大さじ2・ライム果汁大さじ2・砂糖大さじ1.5・水大さじ3・すりおろしにんにく少々・刻んだ赤唐辛子1本を混ぜ合わせ、砂糖が溶けるまでよく混ぜる。(ヌクチャムはナンプラー・ライム・砂糖・水の比率が味の核心。酸味・甘み・塩気のバランスを味見しながら整える。唐辛子の量は好みで調節してよい)
◎盛り付け

揚げたてのネムザンを器に盛り、レタスの葉・ミント・パクチー・きゅうりの薄切り・もやしを添える。ヌクチャムを小鉢に入れて添えて完成。食べるときはレタスとハーブでネムザンを包み、ヌクチャムに浸していただく。
料理の歴史と背景
ネムザンの起源は中国の春巻きにあるとされており、ベトナムに渡った華人移民が持ち込んだ揚げ春巻きの技法が、ベトナムのライスペーパー文化と融合して独自のスタイルに発展したと考えられています。小麦粉の皮を使う中国の春巻きとは異なり、米粉を原料とするライスペーパーを使うのがベトナム独自の進化であり、揚げたときに生まれる独特の薄くて軽やかなパリパリ食感は他に類を見ません。南部ホーチミン(旧サイゴン)では「チャーゾー」として特に盛んに食べられており、フランス植民地時代にフランス人が好んで食べたことで「Vietnamese spring roll」として西洋に広まったという記録も残っています。
ベトナムではネムザンは祝いの料理としての地位が確立しており、特にテト(旧正月)の時期には各家庭で大量に作り置きするのが伝統です。家族が集まってライスペーパーを巻く作業を分担する光景はテトの準備の象徴であり、その行為自体が家族の絆を確かめる儀式的な意味を持っています。ベトナム戦争後に世界各地に渡ったベトナム難民がネムザンを現地に広めたことで、フランス・アメリカ・オーストラリアなどベトナム系コミュニティが根付いた地域では現地のベトナム料理店の看板メニューとして定着しました。日本でもベトナム料理の普及とともに広く知られるようになり、揚げ春巻きとして親しみやすい見た目と味からベトナム料理入門として多くの人に愛されています。
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