タイの定番パネーンカレーのレシピ
グリーンカレーより濃厚でまろやか、レッドカレーより香り豊か。少量のソースで食べるタイ南部スタイルのドライカレーを本格的に作るレシピです。
材料
- 牛薄切り肉(または豚・鶏) 250g
- パネーンカレーペースト(またはレッドカレーペースト) 大さじ2
- ココナッツミルク 200ml
- ローストピーナッツ(粗く砕く) 大さじ2
- コブミカンの葉 4〜5枚
- ナンプラー 大さじ1.5
- パームシュガー(なければきび砂糖) 大さじ1
- サラダ油 大さじ1
- 赤唐辛子 飾り用・適量
- ジャスミンライス 適量
パネーンカレー(แกงพะแนง)は、タイ三大カレーのひとつに数えられる濃厚なドライカレーです。グリーンカレーやマッサマンカレーがたっぷりのスープで仕上げるのに対し、パネーンはソースをほとんど煮詰めてしまうスタイルが特徴で、凝縮された旨みが薄切り肉にしっかりと絡みます。カレーペーストにローストピーナッツを加えることで生まれるまろやかなコクと、コブミカンの葉の清涼感、仕上げに回しかけるキャラメル状のパームシュガーの甘みが折り重なり、他のタイカレーとは一線を画す奥深い味わいを作り出します。少量でも満足感が高く、ジャスミンライスにかけて食べると止まらなくなる一皿です。
パネーンカレーの作り方
◎ペーストを炒める
フライパンまたはウォックにサラダ油大さじ1を中火で熱し、パネーンカレーペースト(またはレッドカレーペースト)大さじ2を加えて1〜2分炒める。(ペーストの水分が飛んで油と分離し、香りがしっかり立つまで炒めることが風味の決め手。焦げないよう木べらで絶えず混ぜながら炒める)
◎ココナッツミルクを加えて乳化させる
ここでやや火を弱め、ココナッツミルク200mlの半量を加えてペーストとよく混ぜ合わせる。中火に戻して2〜3分煮て油が浮いてきたら残りのココナッツミルクを加える。(パネーンはスープ系カレーより使うココナッツミルクの量が少なく、その分濃度が高くなる。しっかり乳化させることでなめらかなソースになる)
◎肉を加えて煮る
薄切りにした牛肉(またはサラダ油大さじ1)を加え、中火で5〜6分煮る。(パネーンカレーは豚・鶏でも美味しく作れるが、タイの専門店では牛薄切りが最もポピュラー。薄切りにすることでソースが絡みやすくなる)
◎ローストピーナッツを加える
粗く砕いたローストピーナッツ大さじ2を加えて混ぜ合わせる。(ピーナッツがパネーンカレーをグリーンカレーやレッドカレーと区別する重要な要素。ペーストに混ぜ込む場合もあるが、仕上げに加える方が食感が残り香ばしさが際立つ)
◎調味して煮詰める
ナンプラー大さじ1.5・パームシュガー(なければきび砂糖)大さじ1を加えて味を調える。中火のまま2〜3分煮詰め、ソースにとろみをつける。(パネーンカレーはソースが肉にしっかり絡む程度まで煮詰めるのが理想。煮詰めすぎて焦げないよう最後は目を離さないこと)
◎コブミカンの葉で仕上げる
コブミカンの葉4〜5枚を葉脈を取り除いてせん切りにし、半量を加えてひと混ぜする。(コブミカンの葉は加熱するとほのかな苦みと清涼感が出る。仕上げに残りをトッピングすることで香りの層を作れる)
◎盛り付け

器に盛り、残りのコブミカンの葉のせん切りと赤唐辛子の薄切りを彩りよく飾る。ジャスミンライスを添えて完成。
料理の歴史と背景
パネーンカレーの名前の由来については諸説あり、マレー語で「海を渡る」を意味する言葉が語源という説と、ペナン島(現マレーシア)に由来するという説が並立しています。いずれにしてもタイ南部やマレー半島との文化的な接点を持つ料理であることは間違いなく、インドのスパイス文化がタイ中部の宮廷料理と融合して現在の形に洗練されたと考えられています。タイ宮廷料理の古典的な記録にも登場するパネーンは、もともとは特別な場で供される格式ある料理として位置づけられていました。
現代のタイではパネーンカレーはグリーンカレー・レッドカレーとともに「タイカレー三兄弟」として親しまれており、バンコクの食堂からローカルな屋台まで幅広く提供されています。日本のタイ料理店でもメニューに載ることが増えてきましたが、ソースを煮詰めるドライスタイルの調理は時間と火加減の管理が必要なため、家庭で作る機会はグリーンカレーほど多くありません。しかし一度コツをつかむと、その凝縮された旨みとまろやかなコクの虜になる料理です。牛肉・豚肉・鶏肉・えびなどどの食材とも相性がよく、タイでは季節や好みで具材を変えながら食べ続けられる懐の深いカレーとして、長く愛され続けています。
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