アジア

タイの定番サイウアのレシピ

チェンマイ生まれ、ハーブを贅沢に練り込んだタイ北部の香草ソーセージ。レモングラスとカー(ガランガル)の爽やかな香りを自宅で作る本格レシピです。

タイの定番サイウアのレシピ
Author
上の
郷土レシピ.com代表
35 調理時間
2人前 分量
約410kcal カロリー

材料

  • 豚ひき肉 300g
  • レモングラス 2本
  • ガランガル(またはしょうが) 15g
  • コブミカンの葉 4枚
  • シャロット 3個
  • にんにく 3片
  • 乾燥赤唐辛子 2本
  • レッドカレーペースト 大さじ1
  • ナンプラー 大さじ1
  • 砂糖 小さじ1
  • 白こしょう 少々
  • 豚腸(または羊腸・コラーゲンケーシング) 適量
  • 生姜(薄切り) 1かけ
  • キャベツ 2〜3枚
  • 青唐辛子 2〜3本
  • カオニャオ(もち米) 適量
  • ナムプリックナム(チリソース) 適量

サイウア(ไส้อั่ว)はタイ北部チェンマイを代表するハーブソーセージで、発酵させるサイクロークイサーンとは対照的に、フレッシュハーブを豚肉に大量に練り込んで焼き上げるスタイルが特徴です。レモングラス・コブミカンの葉・ガランガル・レッドカレーペーストを惜しみなく使うため、焼いた瞬間から周囲に広がるハーブの香りは圧倒的です。一口噛めばジューシーな豚肉からハーブの香りと辛みが溢れ出し、皮のパリッとした食感と相まって止まらなくなります。チェンマイの市場では朝から炭火で焼かれたサイウアが串に刺されて並び、その香りで観光客も地元の人も引き寄せられる光景が毎日繰り広げられます。発酵の工程が不要で材料を混ぜて詰めるだけと作り方はシンプルなため、フレッシュハーブさえ揃えば家庭でも本格的な仕上がりを楽しめます。

サイウアの作り方

◎ハーブペーストを作る
レモングラス2本(薄切り)・ガランガル15g(薄切り)・コブミカンの葉4枚(葉脈を除く)・シャロット3個・にんにく3片・乾燥赤唐辛子2本をすり鉢に入れ、なめらかなペースト状になるまでしっかりすりつぶす。(ハーブを丁寧にすりつぶすほど肉への風味の浸透がよくなる。フードプロセッサーを使う場合は少量のサラダ油を加えると回りやすい。このペーストがサイウアの風味のすべてを決める)

◎タネを作る
豚ひき肉300gにハーブペースト・レッドカレーペースト大さじ1・ナンプラー大さじ1・砂糖小さじ1・白こしょう少々を加え、全体がしっかりなじむまで手でよくこねる。(こねるほどに肉とハーブが一体になり、焼いたときに旨みが閉じ込められる。粘りが出るまで最低3〜4分はこね続けること。冷蔵庫で30分ほど休ませると味がさらになじむ)

◎腸詰めにする
豚腸(または羊腸・コラーゲンケーシング)を水でよく洗い、ソーセージメーカーまたは絞り袋でタネを詰める。8〜10cm間隔でひもで縛り、個別のソーセージ状に成形する。表面に竹串で細かく穴を開ける。(サイウアはイサーンのソーセージより短めに成形するのが北部スタイル。穴を開けることで焼いたときにケーシングが破裂せず、余分な油が出てパリッと仕上がる)

◎グリルで焼く
グリルまたはフライパンを中火で熱し、サイウアを転がしながら全面に焼き色がつくまで10〜12分かけてじっくり焼く。(弱めの中火でゆっくり焼くことが重要。強火だと表面が焦げて中が生になりやすい。炭火で焼くと香ばしさが格段に増すため、バーベキューグリルがあれば積極的に活用したい。竹串を刺して透明な汁が出れば完成)

◎盛り付け

タイの定番サイウアの完成品 盛り付け画像
焼き上がったサイウアを器に盛り、薄切りの生姜・ざく切りのキャベツ・フレッシュのレモングラスの薄切り・青唐辛子を添える。カオニャオを一緒に盛り付け、好みでナムプリックナム(チリソース)を添えて完成。

料理の歴史と背景

サイウアはタイ北部のランナー王国の文化圏に根付く料理で、チェンマイ・チェンライ・ランパーンなどの北部諸県に伝わる郷土食です。ランナー王国はバンコクを中心とするタイ中部の文化とは独立した歴史・言語・食文化を持つ地域であり、サイウアもバンコク料理とは明確に異なる北部タイ料理の個性を体現しています。フレッシュハーブを惜しみなく使うスタイルはランナーの食文化の特徴であり、山岳地帯の気候の中で栽培されるレモングラスやコブミカンの豊かな香りがこの料理の骨格を作っています。豚肉の保存食として発展したという側面もありますが、発酵を経ないサイウアは現代においても常に新鮮な状態で作られ、焼きたてを食べるのが基本です。

チェンマイの市場やナイトバザールでは今もサイウアが土産物として売られており、旅行者が必ず購入する北部タイの代表的な食品として定着しています。バンコクでは北部タイ料理専門店やスーパーのデリカテッセンでも見かけるようになりましたが、本場チェンマイのものと比べると香りのインパクトに差があるとされており、現地を訪れたタイ料理好きが最も再現したくなる料理のひとつに挙げられます。家庭で作る際はフレッシュハーブの調達が最大のハードルですが、アジア系食材店やオンラインショップで入手できる環境が整ってきており、日本でも本格的なサイウア作りに挑戦するフードマニアが増えています。ハーブの香りが爆発する焼きたてのサイウアを、カオニャオと一緒に頬張る体験は、北部タイ料理の魅力を最もダイレクトに伝えてくれます。

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