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台湾の定番小籠包のレシピ

豚肉とコラーゲンゼリーを薄い皮で包んで蒸し上げる台湾を代表する点心。噛んだ瞬間に溢れる肉汁スープと18枚のひだの美しさを自宅で再現する本格レシピを、歴史とともに紹介します。

台湾の定番小籠包のレシピ
Author
上の
郷土レシピ.com代表
60 調理時間
2人前 分量
約380kcal カロリー

材料

  • 強力粉 100g
  • 薄力粉 100g
  • 熱湯(80〜90℃) 80ml
  • 豚の挽き肉(脂肪率30%) 200g
  • 醤油 大さじ1
  • 紹興酒 大さじ2
  • ごま油 小さじ1
  • 砂糖 小さじ1/2
  • 塩 小さじ1/2
  • 白こしょう 小さじ1/4
  • 生姜 10g
  • 長ねぎ 20g
  • 豚皮 200g(ゼリー用)
  • 豚骨または鶏手羽先 300g(ゼリー用)
  • 塩 小さじ1/2(ゼリー用)
  • 醤油 小さじ1(ゼリー用)
  • 生姜 3片(ゼリー用)
  • 生姜(千切り・添え用) 適量
  • 黒酢 適量

小籠包(シャオロンバオ・Xiǎolóngbāo)は台湾を代表する点心料理で、豚骨と豚皮を長時間煮込んで作ったコラーゲンゼリーと豚の挽き肉・ショウガ・ネギ・醤油・ごま油を合わせたフィリングを、薄く引き伸ばした小麦粉の皮で丁寧に包み込み蒸籠(せいろ)で蒸し上げることで、皮の中のゼリーが溶けて肉汁スープとなり噛んだ瞬間に口の中に熱々のスープが溢れ出す唯一無二の食体験を生み出す、台北の鼎泰豊(ディンタイフォン)を通じて世界中にその名を知られた台湾を代表する蒸し点心です。小籠包の最大の個性は固形のゼリーを肉だねに混ぜ込むことで蒸し上がりの際に皮の内部でスープが生まれるという調理のマジックにあり、薄くて破れにくい皮の中に閉じ込められた熱々の肉汁スープが噛んだ瞬間に一気に溢れ出す瞬間の官能的な食体験は世界中の食通が台湾を訪れる最大の理由のひとつとして語られています。小籠包の決め手は皮を均一に薄く伸ばしながら底を少し厚めに残すことで蒸し上がりに皮が破れず底からスープが漏れない強度を確保することと、フィリングを包む際に18枚以上の細かいひだを均一に刻んでトップをしっかりと閉じることで蒸し上がりの美しい形を保つことであり、この二つが揃って初めて本場台北の永康街・鼎泰豊・添財の職人が一個ずつ丁寧に仕上げる芸術的な小籠包の完成度に近づきます。台湾では小籠包は点心専門店・茶藝館・夜市の食堂で朝食から夜食まで食べることができ、生姜の千切りと黒酢を合わせてスープを楽しみながら食べるという食べ方の作法とともに台湾の食文化の洗練と丁寧さを体現する料理として何世代にもわたって愛されており、一個の小籠包に台湾の職人技と大陸から受け継いだ点心文化の深さが凝縮されています。

小籠包の作り方

◎スープゼリーを作る
豚皮200g・豚骨または鶏手羽先300gを水1Lとともに鍋に入れて沸騰させ、アクを丁寧に取り除く。生姜3片・長ねぎの青い部分1本・紹興酒大さじ2を加えて弱火で2〜3時間煮込む。漉してスープだけを取り出し、塩小さじ1/2・醤油小さじ1で味を調える。バットに流して冷蔵庫で一晩冷やして固める。固まったゼリーを5mm角のさいの目に切る。(スープゼリーは小籠包の命であり省略できない。ゼリーが溶けることで皮の中にスープが生まれる仕組みを担う。市販の粉ゼラチン5gを200mlのチキンスープに溶かして固めることで時間を短縮できる)

◎フィリングを作る
豚の挽き肉(脂肪率30%程度)200gに醤油大さじ1・紹興酒大さじ1・ごま油小さじ1・砂糖小さじ1/2・塩小さじ1/2・白こしょう小さじ1/4・生姜10g(すりおろし)・長ねぎ20g(みじん切り)を加えてよく練り混ぜる。さいの目に切ったスープゼリーを加えてさっくりと混ぜ合わせる。冷蔵庫で30分冷やしてから使う。(フィリングを冷やすことでゼリーが溶けずに包みやすくなる。脂肪率の高い挽き肉を使うことで蒸し上がりのフィリングがジューシーに仕上がる。粘りが出るまでしっかりと練ることでフィリングが皮の中で崩れにくくなる)

◎皮を作る
強力粉100g・薄力粉100gをボウルに合わせ、熱湯(80〜90℃)80mlを少しずつ加えながら箸で混ぜる。ある程度まとまったら手でこねてなめらかな生地に仕上げる。ラップに包んで室温で30分休ませる。(熱湯を使うことで小麦粉のグルテンが適度に変性して薄く伸ばしやすく蒸し上がりにもちもちとした食感が生まれる。生地は硬めに仕上げることが薄く均一に伸ばせる条件。休ませることでグルテンが緩んで伸ばしやすくなる)

◎包む
休ませた生地を細長く伸ばして16〜20等分にする。各ピースを手のひらで丸めて直径8〜9cmの円形に薄く伸ばす。縁を特に薄く、中央を少し厚めに仕上げる。フィリングを小さじ1程度中央にのせる。皮の端をつまんで18枚以上のひだを刻みながらトップをしっかりとひねって閉じる。(ひだを刻む作業は練習が必要。最初は枚数より閉じることを優先すること。トップをしっかりとひねることでスープが漏れない。フィリングを詰めすぎると皮が破れるため適量を守ること)

◎蒸す
蒸籠にクッキングシートを敷き、小籠包を互いにくっつかないよう間隔を開けて並べる。沸騰した蒸し器に蒸籠をのせて強火で8〜10分蒸す。(蒸し過ぎると皮が破れてスープが流れ出るので時間を守ること。蒸籠を使わない場合はフライパンに水を張って蒸し器代わりにできる。クッキングシートに小さな穴を数カ所開けると均一に蒸し上がる)

◎盛り付ける

台湾の定番小籠包の完成品 盛り付け画像

蒸籠ごとテーブルに出す。生姜の千切りを小皿に盛り、黒酢とともに添える。小籠包を蓮華(れんげ)にのせて底を少し噛んでスープをすすってから生姜と黒酢をつけて食べるのが台湾の定番スタイル。

料理の歴史と背景

小籠包の起源は中国上海郊外の南翔鎮にあり、19世紀後半に南翔の点心師・黄明賢が小さな蒸し籠(小籠)で蒸した薄皮の肉まん「南翔小籠饅頭」を考案したことが小籠包の発祥とされています。清朝末期から民国時代にかけて上海に持ち込まれた南翔小籠饅頭は上海の食文化と融合しながら洗練を重ね、豚皮から作ったスープゼリーをフィリングに混ぜ込むことで蒸し上がりに皮の中にスープが生まれるという現代の小籠包の形式が確立されました。1949年の国共内戦終結後に国民党政府とともに台湾に渡った大陸出身者が上海式小籠包の製法を台湾に持ち込み、台北の点心店で提供されるようになったことが台湾における小籠包の歴史の始まりです。1958年に台北で創業した鼎泰豊(ディンタイフォン)が料理油の販売から点心専門店へと業態転換し、職人技による均一で美しい18枚ひだの小籠包を提供したことで台湾の小籠包が国際的な評価を確立する大きな転換点となりました。1993年にニューヨークタイムズが鼎泰豊を「世界で最も注目すべきレストラン10店」のひとつに選んだことで台湾の小籠包は世界的に注目を集め、以降の台湾料理の国際的な評価向上に決定的な役割を果たしました。

現代の台湾において小籠包は台北・台中・高雄・台南など全国の点心専門店・茶藝館・デパートの飲食フロアで日常的に食べることができ、特に台北の永康街に集中する老舗点心店は世界中からの食通が訪れる巡礼地として国際的な知名度を確立しています。鼎泰豊は現在台湾・日本・アメリカ・オーストラリア・中国・香港・シンガポールなど世界各国に展開する国際的なレストランチェーンとして成長しており、台湾の食文化の国際的な大使館として機能しています。一個あたり18枚以上のひだという精密な製造基準・完成した小籠包の重さを21g以内に収めるという品質管理・透き通るような薄い皮の均一な厚さという職人技への徹底したこだわりは台湾の食の品質への高い意識を象徴するものとして世界中のメディアで繰り返し紹介されています。日本では鼎泰豊の複数店舗展開に加えて台湾料理専門店での小籠包の提供が急増しており、餃子や肉まん文化に親しんだ日本人の味覚に最も自然に馴染みながら噛んだ瞬間に溢れるスープという驚きの食体験が新鮮な感動をもたらす料理として台湾料理の中で最も人気の高い一品として評価が定着しています。

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