ラオスの定番オーラムのレシピ
ルアンパバーン発祥、ラオスを代表する薬草スープ。サカーンのしびれる香りと複雑なハーブの旨みが溶け合う本格スープレシピを詳しく紹介します。
材料
- 牛すね肉(または豚バラ肉) 250g
- レモングラス 2本
- タイナス(またはズッキーニ) 1本
- インゲン豆 80g
- サカーン(乾燥・なければ四川山椒少量) 5〜6本
- ディル ひとつかみ
- 青ねぎ 2本
- パデーク(またはナンプラー) 大さじ1.5
- 乾燥赤唐辛子 2〜3本
- 塩 少々
- 水 700ml
- カオニャオ(もち米) 適量
オーラム(ແກງໂອລາມ)は、ラオス北部の古都ルアンパバーンを発祥とする伝統的な煮込みスープです。水牛の肉や地元の野菜を、サカーンと呼ばれる木の枝由来のスパイスとともにじっくり煮込むこの料理は、ラオス料理の中でも特に個性的な一皿として知られています。サカーンは四川山椒に似た軽いしびれと独特の草木の香りを持ち、ディルの清涼感・乾燥唐辛子の辛さと相まって、一度食べると忘れられない複雑な風味を生み出します。カオニャオ(もち米)と合わせてこそ真価を発揮する、ラオスの食文化を凝縮した郷土料理です。
オーラムの作り方
◎肉に下味をつける
牛肉または豚肉を一口大に切り、塩少々をもみ込んで10分おきます。(水牛肉が伝統的ですが、入手困難な場合は牛すね肉や豚バラ肉で代用できます。脂の少ない部位より、適度に脂が入った部位の方がスープに旨みが出ます)
◎スープを作る
鍋に水700mlを入れ強火で沸騰させます。レモングラス2本を叩いて加え、肉を投入します。アクを丁寧に取りながら中火で20〜25分煮込みます。(レモングラスは後で取り出すので、結んでおくと便利です)
◎サカーンと野菜を加える
サカーン(乾燥)を砕いてそのまま加えます。タイナス(またはズッキーニ)を一口大に切って加え、さらにインゲン豆を4〜5cm長さに切って加えます。中火で10分煮ます。(サカーンは日本ではアジア食材店やオンラインで入手できます。なければ四川山椒少量で代用可能ですが、風味は大きく異なります)
◎調味する
パデーク(ラオスの発酵魚醤)またはナンプラー大さじ1.5を加えます。乾燥赤唐辛子を2〜3本手でちぎって加え、塩で味を調えます。(パデーク特有の発酵臭が気になる場合はナンプラーのみでも構いません。辛さは唐辛子の量で調節してください)
◎ディルと青ねぎで仕上げる
火を止める直前にディルをひとつかみとざく切りにした青ねぎを加えます。レモングラスを取り出してひと混ぜし、火を止めます。(ディルは加熱しすぎると香りが飛ぶため、仕上げに加えるのが鉄則です。ラオスではディルが非常に重要なハーブで、量は日本人の感覚より多めがより現地の味に近づきます)
◎盛り付け

深めの器にたっぷりと盛り付け、カオニャオ(もち米)を添えます。仕上げにディルの葉を散らして完成です。
料理の歴史と背景
オーラムはルアンパバーン王国の宮廷料理に起源を持つとされており、現在もラオス北部の家庭料理・寺院料理として深く根付いています。もともとは水牛の肉を余すところなく使う知恵から生まれた料理で、通常の肉だけでなく乾燥させた水牛の皮も加えてとろみを出す調理法が伝統的です。サカーンという植物は現地の森に自生し、古くから薬草としても利用されてきました。しびれに似た感覚を持つその成分は食欲を増進させ、身体を温める効果があるとされ、ラオスの人々は薬膳的な感覚でオーラムを食生活に取り入れてきました。
ルアンパバーンは2025年現在もユネスコ世界遺産の町として多くの観光客が訪れており、オーラムは町の食堂や市場で必ずといってよいほど目にする定番料理です。各家庭・食堂によって具材のバリエーションは異なり、きのこ・とうもろこし・かぼちゃなどが加わることもあります。共通しているのはサカーンとディルの組み合わせで、この2つがオーラムのアイデンティティを形成しています。ラオス国外ではほとんど知られていない料理ですが、ラオス料理研究家や東南アジア食文化の愛好家の間では「もっと世界に広まるべきラオスの宝」として高く評価されています。
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