アジア

ラオスの定番ジョークのレシピ

米をとろとろに煮溶かした鶏ガラスープの粥に生姜・揚げにんにく・パクチーを添えるラオスの定番朝食。シンプルな材料から生まれる滋味深い本格レシピを、歴史とともに紹介します。

ラオスの定番ジョークのレシピ
Author
上の
郷土レシピ.com代表
50 調理時間
2人前 分量
約320kcal カロリー

材料

  • 白米 120g
  • 鶏ガラスープ 1L
  • 鶏むね肉またはもも肉 150g
  • ニンニク 4片
  • サラダ油 大さじ3
  • ナンプラー 大さじ1
  • 塩 小さじ1/2
  • 生姜 10g
  • 青ねぎ 3本
  • パクチー ひとつかみ
  • 白胡椒 適量
  • 卵(お好みで) 1個
  • 唐辛子フレーク 適量

ジョーク(ຈອກ)はラオス語で「お粥」を意味するラオスを代表する朝食料理で、米を鶏ガラスープの中でとろとろに煮溶かし、生姜の千切り・揚げにんにく・青ねぎ・パクチー・白胡椒をたっぷりと添えて食べる、シンプルな材料から生まれる滋味深い一皿です。中国の粥文化がメコン川流域の交易路を通じてラオスに伝わり、パーデークやナンプラーを使うラオス独自の味付けと、揚げにんにくやパクチーなど東南アジアのハーブ文化と融合することで現在のジョークとして定着したとされており、同じ系譜を持つタイのジョークやカンボジアのチュークダオと比べてラオス版は鶏ガラスープの旨みをシンプルに活かした淡い味わいと豊富なトッピングの組み合わせで楽しむスタイルが際立っています。ジョークの決め手は米が完全に溶けてとろみが出るまで丁寧に煮込むことで生まれるなめらかで均一な口当たりと、揚げにんにくの香ばしさと生姜の清涼感が鶏ガラスープの旨みに重なることで生まれる複雑な香りの層であり、この二つが揃って初めて本場ビエンチャンやルアンパバーンの朝市食堂の味に近づきます。ラオスでは病気の回復食・二日酔いの翌朝・体力を消耗した日の夜にも食べられる万能の滋養食として老若男女に愛されており、朝市の食堂では開店直後から地元の人々がジョークの器を両手で包みながら一日を始める光景が毎朝繰り広げられています。もち米文化のラオスにおいて珍しい煮溶かし粥であるジョークは、タイや中国からの文化的影響を受けながらもラオス人の日常に深く根付いた朝の定番として欠かせない存在です。

ジョークの作り方

◎米を準備する
白米120gを研いで水気を切り、鶏ガラスープ1Lとともに厚手の鍋に入れる。中火で沸騰させてから弱火にし、蓋を少しずらして30〜40分、米が完全に溶けてとろとろになるまで煮込む。途中で底が焦げないよう時々かき混ぜる。(米は研ぎすぎず表面のデンプンをある程度残すことでとろみが出やすくなる。鶏ガラスープは市販の顆粒でも十分だが、鶏手羽先を一緒に煮込むと旨みが格段に増す。とろとろの粥にするには時間をかけて弱火で煮込むことが最大のポイント)

◎鶏肉を準備する
鶏むね肉またはもも肉150gを粥が煮えてきたら鍋に加え、火が通るまで10〜12分煮る。取り出して粗熱が取れたら手でほぐしてそのまま粥に戻す。ナンプラー大さじ1・塩小さじ1/2で粥全体の味を調える。(鶏肉はほぐして戻すことで粥全体に旨みが広がる。薄切りにして添えるスタイルも美しい。味付けはナンプラーの塩気を確認しながら少しずつ加えること)

◎揚げにんにくを作る
ニンニク4片を薄切りにし、サラダ油大さじ3を熱したフライパンで弱火でじっくりと黄金色になるまで揚げ焼きにする。取り出してキッチンペーパーに広げて油を切る。(揚げにんにくはジョークの香ばしさの核心であり省略できないトッピング。焦がすと苦くなるので弱火でゆっくりと揚げること。油はにんにく風味が移っており炒め物に使えるので捨てないこと)

◎薬味を準備する
生姜10gを細い千切りにする。青ねぎ3本を小口切りにする。パクチーひとつかみを粗く刻む。白胡椒を挽いて用意する。好みで卵1個を半熟に茹でて半分に切る。(トッピングはジョークの食体験を決定づける重要な要素。生姜の千切りはたっぷり使うほど清涼感が増す。ラオスでは揚げパン(パートンコー)を添えて浸しながら食べるスタイルも定番)

◎盛り付け

ラオスの定番ジョークの完成品 盛り付け画像

深めの器にジョークをたっぷり盛り、ほぐした鶏肉をのせる。揚げにんにく・生姜の千切り・青ねぎ・パクチーを彩りよく散らし、白胡椒をたっぷりふりかけて完成。好みで半熟卵・ナンプラー・唐辛子フレークを添えてテーブルに出し各自で調整するのがラオスのスタイル。

料理の歴史と背景

ジョークの起源はメコン川流域の交易路を通じてラオスに伝わった中国の粥文化に求められます。雲南省や広東省の商人・移民が持ち込んだ米粥の調理法が、ラオスの食文化に根付いていたパーデークやナンプラーの発酵調味料文化・東南アジアのハーブ文化と融合することで現在のジョークとして独自の発展を遂げました。中国本土の粥と比べてラオスのジョークは鶏ガラスープのシンプルな旨みを活かした淡い味わいと豊富なフレッシュハーブのトッピングが特徴的であり、揚げにんにくとパクチーの組み合わせはラオスとタイの粥文化に共通する東南アジア独自の進化の産物です。ラオスがフランスの植民地だった時代には植民地政府関係者や都市部のエリート層の間でも粥が朝食として広まり、コロニアル建築が残るビエンチャンの旧市街では今も歴史ある粥専門店が当時の面影を残しながら営業を続けています。病気の回復食としての粥の位置づけはラオスでも中国と同様であり、体調を崩した家族にジョークを作って食べさせる習慣は現代のラオスの家庭でも広く受け継がれています。

現代のラオスにおいてジョークはビエンチャン・ルアンパバーン・パクセーなど全国の朝市食堂で夜明け前から提供が始まり、出勤前の市民・市場の売り子・旅行者が肩を並べて食べる朝の風景の中心にあります。一杯あたりの価格が非常に安く栄養価が高いことから経済的な朝食として幅広い層に愛されており、屋台のおばちゃんが大鍋からジョークをよそいながらトッピングを手際よく整える姿はラオスの朝市の象徴的な光景のひとつです。日本ではラオス料理専門店での提供は限られているものの、家庭で作れる手軽さと病気の際の回復食としての使いやすさからジョークへの関心が静かに高まっており、とろとろの食感と揚げにんにくの香ばしさが重なる滋味深い味わいは、おかゆ文化に親しんだ日本人にも直感的に理解しやすい料理として評価されています。

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