アジア

中国の定番点心のレシピ

蒸籠を開けた瞬間に立ち上る真っ白な湯気と、極薄の皮の中にたっぷりと閉じ込められた黄金色のスープ。中国・上海発祥とされる点心の最高峰「小籠包」の、溢れ出す肉汁を家庭で再現するための「スープゼリー」の秘密と本格レシピをご紹介します。

中国の定番点心のレシピ
Author
上の
郷土レシピ.com代表
90 調理時間
3人前 分量
約60kcal(一個あたり) カロリー

材料

  • 【スープゼリー】
  • 鶏ガラスープ 150ml
  • 粉ゼラチン 5g
  • 醤油 小さじ1
  • 酒 小さじ1
  • 生姜(すりおろし) 少々
  • 【肉餡】
  • 豚ひき肉 200g
  • 長ネギ 1/2本
  • 生姜 1片
  • 醤油 大さじ1
  • 酒 大さじ1
  • ごま油 大さじ1
  • 塩 小さじ1/2
  • 白こしょう 少々
  • 【皮】
  • 中力粉 200g
  • 塩 ひとつまみ
  • 熱湯 80ml
  • 常温の水 20〜30ml
  • 打ち粉 適量
  • 【添え物】
  • 黒酢 適量
  • 生姜(千切り) 適量

小籠包の作り方

◎スープの素となる「スープゼリー」を仕込む
小籠包から溢れ出すスープの正体は、あらかじめ固めておいたゼリーです。伝統的には豚の皮を煮込んでコラーゲンを抽出しますが、家庭では鶏ガラスープと粉ゼラチンを使って手軽に作ることができます。小鍋に鶏ガラスープを温め、醤油、酒、すりおろした生姜で風味をつけます。火から下ろして粉ゼラチンを振り入れて溶かし、バットなどに流し入れます。粗熱が取れたら冷蔵庫で1時間以上冷やし固め、固まったらフォークなどで細かく砕いておきます。

◎生姜とごま油が香る肉餡を練る
ボウルに豚ひき肉(適度に脂身があるものがジューシーに仕上がります)を入れ、醤油、酒、ごま油、塩、白こしょう、そしてみじん切りにした長ネギとたっぷりのすりおろし生姜を加えます。肉に粘り気が出て白っぽくなるまで、手でしっかりと練り合わせます。そこに、細かく砕いておいたスープゼリーを加え、手の熱でゼリーが溶けないように素早く全体に混ぜ込みます。包む直前まで、餡は冷蔵庫で冷やしておきます。

◎スープを逃さない、しなやかな皮を打つ
小籠包の皮は、熱湯を使ってこねる「湯麺(タンメン)」という手法で作ります。ボウルに中力粉と塩を入れ、熱湯を少しずつ注ぎながら菜箸でそぼろ状になるまで混ぜます。次に常温の水を少し加え、手でこね始めます。表面が滑らかになるまで10分ほどしっかりとこね上げ、ラップで包んで常温で30分ほど休ませます。生地を休ませることで、薄く伸ばしても破れないしなやかな伸びが生まれます。

◎繊細なひだを寄せて、旨味を密閉する
生地を棒状に伸ばし、約10gずつの小さな塊に切り分けます。打ち粉をして、小さな麺棒で中心が少し厚く、縁が薄くなるように直径8センチほどの円形に伸ばします。皮の中央に冷やしておいた肉餡を乗せ、親指と人差し指で皮の縁をつまみながら、細かくプリーツ(ひだ)を寄せていきます。最後に中心をしっかりとつまんでねじり、蒸している間にスープが絶対に漏れ出ないよう完全に密閉します。

◎強火で一気に蒸し上げる

中国の定番小籠包の完成品 盛り付け画像

盛り付けた小籠包

クッキングシートを敷いた蒸籠(または蒸し器)に、小籠包がくっつかないように間隔を空けて並べます。鍋でたっぷりの湯を沸かし、蒸籠を乗せて強火で約8〜10分、一気に蒸し上げます。皮が半透明になり、底にスープが溜まってタプタプとした状態になれば完成です。


中国 国旗

中国の国旗

中国の豊かな食文化において、お茶と共に軽食を楽しむ「飲茶(ヤムチャ)」の席で欠かせない存在なのが点心です。その中でも、圧倒的な人気と美しさを誇るのが「小籠包(シャオロンバオ)」。竹で編まれた小さな蒸籠(小籠)の蓋を開けると、美しく折り畳まれたひだを持つ薄皮の点心が湯気の中から顔を出します。レンゲに乗せて皮をそっと破ると、中から熱々で濃厚なスープがジュワッと溢れ出すのが最大の特徴です。この「スープを皮で包み込む」という魔法のような仕掛けは、冷えると固まり、熱を加えると溶けるゼラチン質(皮凍)を肉餡に混ぜ込むことで実現しています。千切りにした生姜を添え、黒酢を少し垂らしてハフハフと頬張れば、豚肉の旨味とスープのコクが口いっぱいに広がります。今回は、このアジアを代表する至高の点心を、家庭でも本格的に手作りするためのレシピとコツを紐解いていきましょう。

料理の歴史と背景

小籠包の歴史は、19世紀後半の清朝時代、上海の北西に位置する「南翔(ナンシャン)」という水郷の町で始まったとされています。当時の点心店「古猗園」の店主が、一般的な肉まん(包子)の皮を極限まで薄くし、中にたっぷりの肉汁を閉じ込めるという画期的な手法を編み出しました。これが「南翔大肉饅頭」と呼ばれ、後に小さく上品なサイズになって「小籠包」という名が定着しました。この絶品の点心は瞬く間に上海の都市部へと伝わり、活気あふれる茶館で多くの人々を魅了しました。職人の精巧な技術によって生み出される美しいひだと、熱々のスープを逃さず包み込む緻密な構造は、中国の粉もの文化の奥深さを象徴しています。

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