オセアニア

サモアの定番カレモアのレシピ

南太平洋の美しい島国サモアで、日曜日の家族の集まり(トオナイ)に欠かせない大衆食「カレモア」。骨付き鶏肉の強烈な旨味と、ココナッツミルクのまろやかな甘み、そしてカレー粉のスパイスが見事に融合した、南国の熱気あふれる本格チキンカレーのレシピをご紹介します。

サモアの定番カレモアのレシピ
Author
上の
郷土レシピ.com代表
45 調理時間
4人前 分量
約450kcal カロリー

材料

  • 鶏もも肉(骨付きのぶつ切り、または手羽元などが理想・通常の切り身でも可) 500g
  • 玉ねぎ 1個
  • じゃがいも 2個
  • ニンジン 1本
  • ニンニク 2片
  • 生姜 1片
  • カレー粉 大さじ2〜3
  • ココナッツミルク 1缶(約400ml)
  • 水(またはチキンブイヨン) 200ml
  • サラダ油 大さじ1.5
  • 塩 小さじ1
  • 黒こしょう 少々
  • 【添え物】
  • 白ご飯(または茹でたサトイモなど) 適量

カレモアの作り方

◎骨付き鶏肉の強烈な旨味を引き出す
カレモアの美味しさの土台は、骨から溶け出す濃厚な鶏の出汁にあります。手羽元や骨付きの鶏もも肉(手に入らなければ通常の鶏もも肉でも可)を約500g用意し、大きめのぶつ切りにします。大きめの鍋にサラダ油を熱し、鶏肉を皮目から入れ、表面に香ばしい焼き色がつくまで中火でしっかりと炒めます。この「焼き付け(メイラード反応)」の工程が、煮込んだ後のスープに圧倒的な深みを与えてくれます。

◎香味野菜とカレー粉で香りを爆発させる
鶏肉に焼き色がついたら、粗めのみじん切りにした玉ねぎ、すりおろしたニンニク、そして生姜を加えます。玉ねぎが透き通り、甘い香りが鍋いっぱいに広がってきたら、ここでカレー粉(市販のブレンドカレー粉で十分です)を大さじ2〜3杯加えます。スパイスが油を吸って香りが爆発するまで、焦げ付かないように木べらで手早く炒め合わせ、鶏肉の表面にカレーの風味をしっかりとコーティングします。

◎大ぶりの根菜とココナッツミルクの融合
鍋に、一口大にゴロッと大きく切ったじゃがいもとニンジンを加えます。そこに、具材が半分ほど浸かる程度の水(またはチキンブイヨン)を注ぎ、蓋をして中弱火で約15分、野菜が柔らかくなるまで煮込みます。野菜に火が通ったら、いよいよ主役である濃厚なココナッツミルクを1缶(約400ml)なみなみと注ぎ入れます。

◎煮込み、とろみを加える
ココナッツミルクを加えた後は、分離を防ぐために決して沸騰させすぎないよう、火を弱火に落とします。塩と黒こしょうで味を調え、時々優しくかき混ぜながら、さらに10〜15分ほどコトコトと煮込みます。じゃがいもの角が少し溶け出し、ココナッツミルクのスープに自然なとろみがついたら完成の合図です。

◎盛り付ける

サモアの定番カレモアの完成品 盛り付け画像

盛り付けたカレモア

サモアでは、茹でたタロイモやグリーンバナナと一緒に食べるのが伝統的ですが、白ご飯との相性も抜群です。深めのお皿に炊きたての白ご飯をたっぷりと盛り、黄金色に輝く熱々のカレモアをなみなみと注ぎかけます。骨からホロホロと崩れる鶏肉と、ココナッツの甘い香りが漂うカレーソースを混ぜ合わせながら、豪快に口へと運びます。


サモア 国旗

サモアの国旗

南太平洋の真ん中に浮かび、手つかずの大自然と「ファア・サモア(サモアのやり方)」と呼ばれる独自の伝統文化を強く残す国、サモア独立国。大家族が共に暮らし、分かち合いの精神を何よりも大切にするこの国で、日曜日の教会帰りに行われる盛大なご馳走の席(トオナイ)や、日常の食卓に最も頻繁に登場する国民的な煮込み料理が「カレモア(Kale Moa)」です。サモア語で「カレ」はカレー、「モア」は鶏肉を意味し、その名の通り骨付きの鶏肉と大ぶりの野菜をカレー粉で炒め、たっぷりのココナッツミルクで煮込んだ黄金色のチキンカレーです。強烈なスパイスの刺激を前面に押し出すインドや東南アジアのカレーとは異なり、カレモアはココナッツミルクの濃厚な甘みとコクがスパイスの角を丸く包み込み、驚くほど優しく、どこか懐かしい味わいを持っています。

料理の歴史と背景

サモアは古くからタロイモやヤムイモ、ココナッツ、そして新鮮な魚介類を中心とした独自の食文化を築いてきました。そこに、19世紀以降の西洋列強による植民地時代や、近隣のフィジーへ労働力として渡ってきたインド系移民を通じてもたらされたのが「カレー粉」という魔法のスパイスでした。サモアの人々は、この外来のスパイスをそのまま受け入れるのではなく、自分たちの土地に豊富にあるココナッツミルクの甘みと融合させ、サモアの風土と味覚にぴったりと合う「カレモア」として独自に進化させました。大きな鍋で大量に作り、大家族や村人全員で分け合うこの料理は、サモアの「ファア・サモア(分かち合いと助け合いの精神)」をまさに体現するものです。外からの文化を柔軟に取り入れながらも、決して自分たちの核となるアイデンティティは失わない。そのしなやかでたくましい精神性が、この一杯のカレーの中に深く刻まれています。

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