イギリス

スコットランドの定番スコッチエッグのレシピ

霧の都ロンドンの高級百貨店から始まり、イギリス全土のパブやピクニックで愛され続けるアイコニックな軽食「スコッチエッグ」。サクサクの衣、スパイス香るジューシーなひき肉、そしてとろける半熟卵のコントラストを家庭で完璧に再現する本格レシピと、謎に包まれた誕生の歴史をご紹介します。

スコットランドの定番スコッチエッグのレシピ
Author
上の
郷土レシピ.com代表
40 調理時間
4人前 分量
約450kcal カロリー

材料

  • 卵(Mサイズ・冷蔵庫から出したてのもの) 4個
  • 茹で用の酢 大さじ1
  • 茹で用の塩 少々
  • 豚ひき肉(または豚と牛の合い挽き肉) 300g
  • 玉ねぎ 1/4個
  • 塩 小さじ1/2
  • 黒こしょう 多め
  • ナツメグ 少々
  • 乾燥セージ 少々
  • 乾燥タイム 少々
  • 薄力粉(卵のまぶし用と衣用) 適量
  • 溶き卵(衣用) 1個分
  • パン粉(細かめがおすすめ) 適量
  • サラダ油(揚げ用) 適量
  • 【添え物】
  • マスタード 適量
  • ベビーリーフなど 適量

スコッチエッグの作り方

◎究極の半熟卵(ソフトボイルド)を作る
スコッチエッグの命とも言えるのが、中心の卵の茹で加減です。冷蔵庫から出したての冷たい卵4個を用意します。鍋にたっぷりの湯を沸かし、大さじ1杯の酢と塩を加えます(殻を剥きやすくするため)。沸騰した湯に卵を静かに入れ、正確に「6分〜6分30秒」茹でます。時間が来たら即座に氷水に取り、完全に中まで冷やし切ります。この徹底した冷却が、後の揚げ工程で黄身が固まりすぎるのを防ぐ最大の防波堤となります。

◎ハーブ香るソーセージミートを練る
イギリスのソーセージは香草がたっぷりと練り込まれているのが特徴です。ボウルに豚ひき肉(または豚と牛の合い挽き肉)300gを入れます。そこに、みじん切りにした玉ねぎ、ナツメグ、乾燥セージ、タイム、塩、そしてたっぷりの黒こしょうを加えます。粘り気が出て全体が白っぽくなるまで、手でしっかりと力強く練り合わせます。このお肉の層が、卵を包む「旨味の毛布」となります。

◎肉で卵を均一に包み込む
練り上げた肉種を4等分にします。手に少量のサラダ油(または水)を塗り、肉種を手のひらで約1センチの厚さの円形に平らに伸ばします。殻を綺麗に剥いた半熟卵の表面に薄く小麦粉をまぶし(これが接着剤になります)、肉の中央に置きます。卵の形に沿って肉を優しく持ち上げ、空気が入らないように隙間なくぴったりと包み込みます。肉の厚みが均等になるように整えることで、揚げた時のひび割れを防ぎます。

◎サクサクの衣をしっかりとまとう
包み終わった巨大な肉団子に、三段仕込みの衣をつけます。まず全体に薄力粉をまんべんなくはたき、余分な粉を落とします。次に溶き卵にしっかりとくぐらせ、最後に細かめのパン粉をたっぷりとまぶしつけます。手で軽く握るようにしてパン粉を肉に定着させたら、すぐに揚げず、冷蔵庫で15分ほど休ませます。こうすることで衣と肉が馴染み、揚げている最中のパン粉の剥がれを防止できます。

◎低温からじっくりと黄金色に揚げる

スコットランドの定番スコッチエッグの完成品 盛り付け画像

盛り付けたスコッチエッグ

鍋にたっぷりのサラダ油を注ぎ、160度の中低温に熱します。スコッチエッグを静かに油に滑り込ませます。高温で揚げると中まで火が通る前に表面が焦げてしまうため、低めの温度で時々転がしながら、約6〜7分ほどじっくりと揚げます。最後に油の温度を180度に上げ、さらに1分ほど揚げて表面をカリッとしたきつね色に仕上げます。網に上げて油を切り、熱々のうちにいただきます。


スコットランド 国旗

スコットランドの国旗

霧の都ロンドンのパブから、緑豊かなスコットランドのピクニックまで、イギリス全土で愛され続けるアイコニックな軽食「スコッチエッグ(Scotch Egg)」。サクサクのパン粉をまとった衣の中に、ハーブやスパイスが効いたジューシーなひき肉の層、そしてその中心には、ナイフを入れた瞬間に黄金色の黄身がトロリと溢れ出す半熟卵が鎮座しています。冷めても美味しいというその完璧な構造は、18世紀から続くイギリスの野外ピクニック文化やパブのカウンターで独自の進化を遂げてきました。今回は、外側のカリッとした食感と、内側のとろけるような卵のコントラストを家庭で完璧に再現するための、温度管理の秘訣と包み方のテクニック、そしてこの料理が持つイギリスの優雅な歴史的背景をたっぷりとご紹介します。

料理の歴史と背景

スコッチエッグという名前を聞くと、誰もがスコットランド発祥の料理だと想像しますが、実はその起源には諸説あり、イギリスの食文化研究における永遠のミステリーとなっています。最も有力な説の一つは、1738年にロンドンの高級百貨店「フォートナム&メイソン(Fortnum & Mason)」が、長距離を馬車で移動する裕福な旅行者のために、手軽で栄養価の高い携帯食として考案したというものです。当時はインド料理の影響を受け、肉種にカレー粉などのスパイスが練り込まれていたとも言われています。また別の説では、ヨークシャー地方の「スコッチ(Scorched=焦がした)」肉を使った料理が訛ったものだとも、北のスコットランドの農民たちが余った肉の切れ端で卵を包んだのが始まりだとも語り継がれています。いずれにせよ、持ち運びが容易で冷めても美味しいスコッチエッグは、瞬く間にイギリス全土に広まり、ピクニックやクリケット観戦、そしてパブでの一杯のお供として、イギリス人のライフスタイルに深く根付いていきました。

半熟卵とサクサク衣のコントラスト

伝統的なスコッチエッグは保存性を高めるために固茹で卵で作られていましたが、現代のガストロパブ(美食を追求するパブ)の台頭により、中心がトロリと流れる「ソフトボイルド(半熟)」が主流となりました。ナイフを入れた瞬間に現れる、衣の黄金色、肉の茶色、白身の純白、そして黄身の鮮やかなオレンジという四層の色彩は、非常に視覚的でドラマチックです。マスタードをたっぷりと塗り、エールビールで流し込む。サクサク、ジューシー、そしてクリーミーという全く異なる三つの食感が口の中で弾ける瞬間は、素朴なイギリス料理の底力をまざまざと見せつけられます。ピクニックの籠を開けた時にこれが入っていた時の喜びは、何世紀経っても変わることはありません。

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